飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


そう言えば、シャルが仕事の話をしていたが実行日はまだまだ先だが、今度の仕事はかなり時間がかかるはずだ。そうなれば此処にリノンを置いて行くにしても食料の問題もあるし、いない間に逃げないとも限らないと自分に言い訳をした。

そして、出した答えはリノンを鍛えて今度の仕事に連れて行こう。昨日念を覚えさせたが、オーラ量も多くセンスも悪くない、鍛えれば化け物になるなと思ったくらいだ。っと考えて今日も朝から錬をさせた。
昨日1時間と少しだったので今日は1時間半続ければ外に連れて出てやると言ったが、普通1日でできるようにはならないだろうと思っていた。しかし、予想に反してリノンは1時間半を超えても少し乱れてはいるが継続していた。

―ほんとに此奴は予想外ね

良いのか悪いのかはわからない。強くなければ連れてはいけないが、もし、力をつければ殺しても死なないこいつは何時か自分をもあっさりと殺してしまうくらい強くなるかもしれないっと思ったが、それとは反対にリノンは人を殺すようなことは出来ないだろうとも思う。

そして、どうせ仕事に連れて行くにもほとんど服も持っていないのでどこかでまた盗りに行こうと考えていたフェイタンは、約束通り、1時間50分錬を持続させたリノンを連れて出かけることになった。出掛ける前に逃げれば殺すし傍を離れるなと釘を刺して。

なのに、、、、

―なぜ、アイツは平然と

買い物の帰り、フィンクスに会った。
ただでさえ、リノンを団員には見せたくなかったにもかかわらず、自分の隣ではなくフィンクスの腕の中に納まっているリノンが気に食わなかった。傍を離れるなと言ったことにも従えず、一回殺してやろうかとも思った。

「まぁまぁ、可愛いな。終わったんなら今度は俺と遊ばないか?」

フィンクスが言った。それでもリノンは何も言わずにそのまま肩を抱かれたままだ。フェイタンは違うねと言った。内心は苛立たしさで今すぐにでも殺してやりたかった。誰でもいいのか、いつも大人しく自分の欲に任せて拷問しても抱いてもそれでも逃げずに自分の傍にいたのは、誰かいればそれでよかったという事なのかと。

「んじゃ何か玩具にする気だったのか?それならその前にちょっと遊ぶくらい良いだろ」

とフィンクスに言われて、する気も何も元々そいつはワタシの玩具よっと思った。そうリノンは自分の玩具なのだ。何故盗られなければいけないのだと思って、

「元々買いに行く予定だたならそこで買えばいいね」

と言った。フィンクスは玩具のくせに逃げないのなっと言ったが、フィンクスには関係のない話だ。リノンはもう、自分の玩具で、自分が何をしても許されるし逃げない。。はずだ。と思っているとフィンクスは人に興味を持つと自分を珍しいと言った。
確かにその通りだ。お気に入りになった拷問相手もいるが大抵すぐ飽きる。それに人と生活するなど考えたこともなかった。幻影旅団として彼らとは幼いころからともにいるがそれでも一人が基本的に好きなフェイタンは空いた時間は一人でいる事が多かった。それなのに今では仕事以外はほとんどリノンと一緒にいる。


「興味じゃないね仕方ないだけね」

そうだ。死ななくて離れようにも何度殺しても生き返り、顔も知られているから捨てれないだけだとフェイタンはそう思う事にした。

「んじゃ、ちょっとくらい良いじゃねぇか」

フィンクスがフェイタンにそう言ってリノンに顔を近づけようとした。腹立たしさも通り超えて、ただ純粋に、もう二度と外には出してやらないともう二度と誰の目にも触れさせやしないとそう思った。
リノンはフィンクスの腕を抜けてフェイタンの方に走り寄ってきて後ろに隠れた。フィンクスが逃げるこったないだろぉっと言ったがそんな事どうでも良かった。早く帰って閉じ込めてしまいたかった。帰るねとフェイタンが言うとリノンは素直についてくる。
少し歩くと

「フェイタン、フィンクスって友達なの?」

「ハッ友達、なんねそれ」

聞かれた答えに素直に答えるとリノンは黙り込んだ。そしてフェイタンは考えたのだ。死なないリノンが逃げたときに面倒だから言っていなかった。特にリノンが何処に何を言おうと自分を追い詰める事なんて出来ないだろうが、面倒事が嫌いなフェイタンは極力余計な事をリノンには言ってこなかったがもうどうでも良かった。もう手放す気も逃がす気もないのだから、フィンクスの事も仕事仲間だと言った。
そうすれば、案の定自分の思った通りに自分の職業を聞いてきた。

「盗賊ね」

っと言うとリノンはそれは職業なのかと聞いてきた。相変わらず馬鹿な奴だ。

「ハッおかしなやつね、欲しいものは奪うそれが盗賊ね」

そう、そうだ。自分は盗賊なのだから欲しいものは奪い取ればいい。リノンもその全てを奪ってしまえばいい。全て自分の物だから誰にも奪わせなければいい。。


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