飽き反芻

飽き反芻_痛みと愛と呪縛 | ナノ
痛みと愛と呪縛


フェイタンは置いたものを少し退けて私が寝転んでいる台に腰かけ、私の流れる涙を拭くように頬を撫でる。

「その泣顔は面白くないよ」

フェイタンは先程の言葉の意味も今の言葉の意味もわかって言っているのだろうか。フェイタンが吐く言葉は自分が与えたもの以外を嫌悪していると言う事にもきっと気づいてないのだろう。

「何笑てるね」

「フェイタンが望むら私はずっと此処にいるよ」

そう、フェイタンが望むらこの部屋から私は出なくてもいい。ずっと此処からでれなくてもただフェイタンがたまに構ってくれるならそれでも良い。
外に出て誰かに盗られると恐れさすくらいなら此処に私を閉じ込めていれば良いんだ。

「それを望んでいるわけじゃないね」

フェイタンの中で何か納得できない事があるのだろうか。きっとフェイタンは自分の感情もわかってなくて、苛立ちと戸惑いで自分がどうしたいのかもわからないんじゃないかなと思った私は、何を言えばフェイタンが納得して私を側に置いてくれるだろうかと悩む。

「だったら、私を好きにすれば良いよ」

と言って撫でていた彼の手にすり寄った。
そう、フェイタンが望むら此処にいると言うのは、裏を返せばフェイタンが望まなければ此処に居ないと言う事だし、私がフェイタンにしてあげているって事にもなる。

「フェイタンの望むままに、飽きれば、、、捨てれば良いから、私はフェイタンの物なんでしょ?」

自分で言ったものの少し寂しくなったがそれでも良いフェイタンが私を置いてくれる理由になるなら、それにフェイタンに飽きられないように頑張れば良いだけだし。そして、何より不確かではなく、フェイタンは私を人としてではなかったにしても嫉妬してくれるくらい独占したいとは思ってくれていると言う事は分かっているのだから。

「そうね、お前は私の物だたね」

フェイタン何か引っかかる物があるが、私の言葉には納得したようで、何時もの意地の悪い笑顔にほんの少し優しさが見える。
泣いてた事でボヤけていた視界を腕で目を拭って振り払っていると腕を掴まれて

−ピチュッ

小さなリップ音と同時に唇に柔らかい感触を感じた。目を見開くとフェイタンの顔が至近距離にあって、キスをされている事がわかり、恥ずかしくて目をゆっくり閉じてフェイタンを受け入れる。
啄ばむようなキスから次第に舌で執念に撫でられ、吐く吐息がフェイタンにかかっていないか恥ずかしくてなかなか上手く呼吸が出来ず思わず口を開けるとスルリとフェイタンの舌が口内に侵入してくる。

「んっ、ふぁ、、んぁ」

優しくも激しいキスに苦しくなって無意識にフェイタンの胸を押していた。

「大人しくしてるね」

そう言って私の手を片手で拘束して、また唇を奪われる。絡み合うというより一方的に絡めとられ、息の仕方も分からなくなる。ボーッとする頭に気持ち良さと舌の感触が気持ちいいなと思ったら、フェイタンがキスをやめて口を離した。互いの口と口を繋ぐように糸を引きプツンと切れる。

「何でもして良い言たね」

フェイタンはそう言ってライトキスをした。

「初めは優しくしてやるね」

フェイタンのそのセリフは初めてのセックスを指してはいない、まるで初めての時を労わるような言葉はこれからする事への労り、それは最初は優しくする気なるて毛頭なかったが今は優しくしてやろうと言う事だろう。嬉しいのか嬉しくないのか。ただ、どちらにしてもこの後の事はどのみち行われていたと言う事だろう。



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