:: ▼防壁
▼ハロウィン
目を閉じたまま息を吐き出すが、奥に溜まっていた空気はほとんど出てくれず、どくどくと唸る心臓の音が、物凄く身近に聞こえてくる。正直苦しい。
あたかも肺でも患ってしまったような気分だ―このまま目を開けてしまったら、きっと愉しげに炯炯とする真っ赤な瞳が私を見下ろしていることだろう、私の呼吸を、悪戯[trick]と称して束の間止めた張本人が。
乱れた呼吸を整えている私に、時間が無いとでもいうかのよう続け様にふうと息を吹き掛けてくるバリケードは本当に抜け目が無いと思う、彼に隙を見せてはいけないというのに、それに反応した一瞬の隙で私から自由を奪い取るのである。
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過去memoより
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2014.02.22 (Sat)
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