:: ▼跳ね馬


▼跳ね馬をお伽話風に



むかしむかし、とある国にディーノという若者がおりました。
彼の名はその国ではよく付けられる名前でしたが、他人にはない燃える、まるで炎のような赤い髪をもっていました。そして、その髪からのぞく切れ長の瞳は若干吊り目気味で、真っ直ぐ透き通るような青をしていました。
その綺麗に整った顔に背丈もあり、力もある彼は、その抜群の容姿からか、異性によく好かれ、また彼も彼女たちに愛想よく応える青年でした。

そんな彼は戦う剣士でした。
彼の国は隣国の、かつては同じ国であったのに分離していった国であった敵国とまだ平穏を保っていましたが、ディーノが剣を手に取る頃にになった時には関係が悪化し、ついには再び戦になってしまったのでした。

ディーノは、まず、剣を二刀流で扱うことで、しかもそれを逆手で使いこなすというあまりない使い方をする剣士として傭兵たちの中で知られていました。
そして、彼の戦い方はいわば先手必勝というもので、素早く且つ大胆に行うものでした。その際に、彼はよく地を蹴り盛大に飛び跳ねるものでしたので、跳ね馬のディーノというあだ名で呼ばれることもありました。
それに加えてこの美貌であるので、彼の名と異名はたちまち有名になりつつありました。






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