どんなに頑張っても
どんなに頑張っても
君のフキダシにもなれないんだ、僕

焦って汗って躓いた
それだけの事だよ。
ただ、それだけの事

大丈夫って心配もしないで 君
飛んで回って 踊り続ける
「楽しいかい」
問いは無視された

絶えず歌う声が耳障りで
目より先に 耳を閉じた

跳ねて笑ってもう止まらない
「楽しいのかい」
問いは聴こえない

そうやって口ずさむ詞にすらなれず
嗚呼嗚呼嗚呼 僕 君
フキダシには なれない

『音を塞いで観た世界の中心は
 僕にとっては君でした』

それすらも伝わらない
響くのは、たった独りの僕の声

「楽しいのかな」
希望も何かと混ぜちゃって
ぐるぐる巻きの 靡く髪

それを綺麗と世界は言うの?
君を綺麗と君は思うの?
解らないんだ 僕には
判らないよ

「楽しそうだね」
それは僕の主観

「楽しくないわ」
それは君の意見

足が縺れても
僕は傍観者
触れようとは思わない

何時まで何時までも
踏み鳴らすステップは止まない
僕はもう踊らない

全てを踊り尽くすのかい
朝まで夜までそうやって

躓いたんだ それは事実だ
それ以上もそれ以下も
足を絡ませるのは お仕舞い

それだけなんだよ、残念ながら
脱落者はお終い 観覧席に、さあ
音はだんだんなくなった

君のフキダシにもなれない僕
でもね、

(世界は相変わらず狭い)

君のフキダシ

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