諺(四時熟語/慣用句):21-40(prev | next)

▼21-30
毛を吹いて疵を求む
恋の恨みと食い物の恨みは恐ろしい
嚆矢
好事魔多し
首纐りの足を引く
口と財布は締めるが得
昨日の淵は今日の瀬
棺桶に片足を突っ込む
霞を食う
影の形に随うが如し

▼31-40
鵜の目鷹の目
怒れる拳笑顔に当たらず
磯の鮑の片思い
問うに落ちず語るに落ちる
いすかの嘴
石に嗽ぎ流れに枕す
生きた空もない
石に花咲く
犬が西向きゃ尾は東
痘痕も靨

【語句説明】
・毛を吹いて疵を求む(けをふいてきずをもとむ)…他人の欠点を強いて暴き立てること。また、人の欠点を暴こうとしてかえって自分の欠点をさらけ出してしまうこと。
・恋の恨みと食い物の恨みは恐ろしい(こいのうらみとくいもののうらみはおそろしい)…恋愛と食べ物に関わる恨みは根深くいつまでも残る。
・嚆矢(こうし)…物事の最初。起こり。
・好事魔多し(こうじまおおし)…良いことにはとかく邪魔が入りやすい。
・首纐りの足を引く(くびくくりのあしをひく)…思いやりのない酷い事をする。
・口と財布は締めるが得(くちとさいふはしめるがとく)…お喋りと無駄遣いは身の為にならない。
・昨日の淵は今日の瀬(きのうのふちはきょうのせ)…世の中や人の身の上は変転が激しく安定しない。古今和歌集の歌が元。
・棺桶に片足を突っ込む(かんおけにかたあしをつっこむ)…死期が近いこと。
・霞を食う(かすみをくう)…超人的な力によって食べ物を食べないで生きる例え。
・影の形に随うが如し(かげのかたちにしたがうがごとし)…ある人や物が何時も傍にいて離れない様子。

・鵜の目鷹の目(うのめたかのめ)…物を探そうとする時の鋭い目つきやようす。
・怒れる拳笑顔に当たらず(いかれるこぶしえがおにあたらず)…相手が強く出てきた時は逆に優しい態度で応じた方が効果がある。
・磯の鮑の片思い(いそのあわびのかたおもい)…自分だけが好きと思って、相手は何とも思ってくれないこと。
・問うに落ちず語るに落ちる(とうにおちずかたるにおちる)…人から尋ねられると用心して本当のことを隠すが、自分から話す時はうっかりそれを言ってしまう。
・いすかの嘴(いすかのはし)…物事が食い違って思うようにならないこと。「いすか」は鳥の名で、その嘴が歪んでいることから。
・石に漱ぎ流れに枕す(いしにくちすすぎながれにまくらす)…負け惜しみが強く、己の間違いに無理に理屈をつけて正当化しようとする。
・生きた空もない(いきたそらもない)…物凄く恐ろしい思いをして、生きた心地がしない。
・石に花咲く(いしにはなさく)…現実に起こる筈がないこと。有り得ないこと。
・犬が西向きゃ尾は東(いぬがにしむきゃおはひがし)…当然過ぎること。当たり前。決まりきったこと。
・痘痕も靨(あばたもえくぼ)…好意を持っていると相手の欠点や短所までもが長所に見える。

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