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▼ 吹雪士郎


にこりと微笑む彼は、世界の直前でチームを離れなければいけなかった彼で、私達を送り出してくれた彼で、必ず戻ってみせると私達に誓った彼で、こっちにいてもずっと心配だった彼で、紛れもなく、彼だった。

嬉しそうな声をあげる皆の中で微笑む彼。それを見て私は小さく彼を呼ぶ。はたして、その声は彼に届いた。
こちらに歩み寄る彼に抱きしめられて、抱き返して、本当に彼は帰ってきたんだと実感した。抱きしめてくれた彼は、間違いなく、ずっと会いたかった彼。
嬉しくて少し視界がぼやける。そのままの状態で彼の声を聞いて、いよいよ泣きそうになった。

「僕、ちゃんと戻ってきたよ」
「……うん、」
「ほら、泣かないで。それに僕、言って欲しいことがあるんだ」


わかってる、わかってるよ。私も、ずっと言いたかった言葉だから。これを言うのを心待ちに、してた。


「ふ、ぶきくん、あの、あのね」
「うん」
「会いたかったん、だ…それで、ね、」
「うん、」

「あのね、…お帰りなさいっ…!」
「うん、…ただいま」


お帰り、吹雪くん。

++++

吹雪お帰りなさいー!

……そしてこのまま栗離脱シーンへ突入。
10/08/18
吹雪復帰記念