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▼ 基山ヒロト

夏の暑さにやられたらしい。朝から体調が優れず、とりあえず午前中はお休みさせてもらうことにした。


喉も渇くし冷房もつけたいのだがどうにも布団から動きたくない。眠い。
これから動かなければならないのに、あともう少し、なんて甘えてしまう。

そんな感じに合宿所の部屋で過ごしていた午前。暑さに唸りながらも半ば目を閉じてうつらうつらしていたところ、額にひんやりとした感触。驚いて目を開けた先にいたのは、冷えたペットボトルを持って立つヒロトだった。
差し出されたペットボトルの蓋を開けて飲む。中身はよく冷えたアクエリアスで、汗もかいていた自分にはちょうどいい飲み物。


今日は最高気温が余裕で30度以上みたいでさ、久遠監督もまいってるみたいだと笑うヒロトは、珍しく汗をかいていた。続けて、今日の練習はほとんどないよ、みんなまいっちゃってるし、マネージャーの人も熱中症になっちゃいそうだったもの、と報告してくれた。…ありがたい、動かなくてすみそうだ。

冷房をつけてくれたヒロトが布団に腰掛ける。「眠ってていいよ、俺が見ててあげるから」、額を撫でられる。「…ありがと」「んーん、彼女の面倒くらいみれなきゃね」立派な彼氏さまだ。


普段より少し高めのその体温を感じながら息をついた。ああ、今度は暑さに唸ることもないかな。

++++

私の現在の状態。だがヒロトはいない、喉渇いた。
10/08/07