レッツ覗き!


オレはうちはオビト、年齢は31だ。

いつもあのクソジジィにこきつかわれているオレは木の葉学園を偵察しては奴に伝えるという仕事を毎日こなしている。



オレはいつも通りに屋敷に戻り、奴に報告をする。



「……これが奴等の情報だ。」


「……フン…これだけか」


奴はいつも文句をつけては直ぐに新たな仕事をオレに渡す。

オレは下らない仕事をこなしつつ、奴から報酬をもらう。



「……引き続き校内の様子も見張っておけ、いいな」

「……ああ。」



オレは仮面を被り、外に素早く出る。

すると、オレが停めていた車の近くに誰かが身を潜めていた。



「……誰だ…」


「……きゃあ!!何よ!!あっちいって……ってなんだ…トビか!ビックリしたじゃない」



彩は塀をよじ登ろうとしていた。
訳の分からない行動に少し驚きつつも、オレはあの口調に戻して話しかける。



「なんだぁー!彩ちゃんじゃないっスか!それよりも、何してるんスか?」


「マダラ先生いるかなーと思って、つい来ちゃった!」



内心ではあのジジィの覗きをするとは悪趣味なものだと思っていたが、口には出さなかった。



「……あんなオッサンの覗きなんて止めて、僕と遊びに行かないっスか?」


「マダラ先生はオッサンじゃない!!しかも、私は覗きなんて…そんなストーカーじみたことは…」



妙にしおらしくなった彩にオレは良い案が思い付いた。



「……あの人の所へ行きたいんでしょ?」


「……そりゃ…まぁ…ね」

「……じゃあ、僕が良い道を教えてあげるっスよ」


「ほんと?!」



オレは散々奴にこきつかわれていたから、仕返しをしてやろうと企む。
奴が困った表情を浮かべているのをこの目で見てやろうと思ったのだ。



「……じゃあ、こっちスよ!」


「はぁーい」



塀の小さな戸を静かに開けて、竹林をコソコソと歩いていく。

すると、奴が住んでいる一軒の離れを見つける。


「……なんか…忍者みたいね!!」


「……そうっスね。……ここからは静かにしてくださいよ」


「……はぁーい…」



オレ達は素早く裏手に回り、戸を開ける。
中を見ると、誰も居らず、静かな廊下が目の前に広がっていた。



「……じゃあ、ここから入って先生の所に行っちゃってください!」


「……ありがとう!トビ!……ワクワクしちゃう!!」


彩は跳び跳ねながら廊下を走って行った。
オレはそんな後ろ姿に自然と笑みがこぼれつつ、奴の様子を知るため屋根によじ登り、別のルートから屋敷の内部に入る。

そして、オレが作った奴の部屋の天井の小さな穴から超高性能器具を用いて奴の様子を伺う。



あのジジィは風呂からあがったのか寝巻きを着て、ベッドに腰をおろしていた。

そして、優雅にワインを飲みつつ新聞を読んでいる。


……あのクソジジィ…オレが苦労している間にあんなに贅沢な生活を送っていやがったのか……


腹立ちが収まらず苛々しながら覗いていると、彩がノックもせずに部屋に入ってくる。



「先生!遊びにきちゃいました!!夜分遅くにすみませーん!!」


「………!?」



……フッ…よくやった彩…奴も大分困っているようだ……


ジジィは驚いている様子だった。
一瞬ワインを吹き出すのかと思いきや、奴は堪えたようだ…



「……貴様…何をしに此所に来た!?」


「数学を教えてもらおっかなと思いまして…ついきちゃいました!」


「ふざけるな!大体どうやって此処まで来た!?言え!」


「どこでもドアで来ちゃいました!」



オレは少しギクッとしたが、彩の発言で少し安心した。



「……下らん嘘をつくな!……さもなくば……」


「……なんですか?襲っちゃうんですか?キャー!先生、エッチ!!」


「大声で言うな!……ハァ…お前といると此方の調子が狂う…」



……奴は大分疲れきったようだな…よくやったな…彩……


オレは心の中で笑っていると、マダラが此方を見ては睨み付けていた。



「……そこだな!」



……気付かれたか!!


オレは素早く天井の裏から去り、元来たルートに戻ると…


……奴が彩を掴んで裏手口に立っていた。



「……お前だな、こいつをオレの部屋へと誘導したのは……」


「……やっだな〜オレは知らないっスよ!」


「とぼけるな!……さっさとこいつを連れて、とっとと失せろ!」


「嫌ですよ、先生ー!……あっ…行っちゃった…」



マダラは彩をオレに押し付け、扉を思いっきり閉めた。

……ちっ…また仕事が増えるな…


すると、彩はケロっとした顔でオレを見ては笑っていた。



「でも、先生の寝巻き姿かっこよかったなぁ…あれシルクかな…?」


「僕は知らないっスよ」


「……フフフ…今夜の妄想が楽しみね…」



オレは彩が何故あんなジジィに惹かれるのか分からず、自然とため息が出る。



「じゃあ、また明日ね!!
今夜はありがとう!」



彩はそう言って、スキップをしながら帰って行った。

何故だか分からないが、オレは少しあの娘に興味が湧いた…


「……フン…オレがあんな小娘に興味が湧くなんてな……」


オレは少し小言を言いながら、屋敷をあとにした。



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