―――――小夜視点
あぁ……明日にはここを出てうちはマダラと結婚するのね……
身の回りにあった家具は彼方へ送ってしまい、ひどくこぢんまりしている。
今日は好きな囲碁や双六もする気は起きなかった。此所で御姉様たちと遊んだ日々は忘れられない……。
……御簾から射し込む西日が少し眩しい…
日も大分傾いたようだ……
……明日から独りぼっち……
御姉様やお父様、女房達もいないのね……
うちはマダラという男はどういう人なのかしら?
一族の長というからには年をとっているに違いない……。
髭を生やして、太ってたり?
……色々想像して、クスっと笑う。
今になって、うちはマダラという男に興味を持ち始めた。
絵巻物に出てくるような素敵な方がいいわね…
その晩、私は胸を踊らせながらなかなか寝付けなかった。