扉を閉め、御姉様と向き合う。先程囲碁をしたときには分からなかったけど、よく見ると御姉様って意外と老けてるのね。


「……。」


「あなた…今失礼な事考えていたでしょう……
丸分かりよ…」

「……!」

御姉様って意外と鋭い……

「で、何?早く言って?」

「あなたね……御父様の御気持ち考えたことある?」

考えるわけないじゃない!むしろ、考えたくもないわ……

「小夜…今…私達大名家は大変なことになっているのよ……今の時代、忍が代頭してきているのは分かっているわね…?我ら大名家はその忍達の力を借りて成り立っているのよ……その忍の中でも頂点に立とうとしているのがうちは一族。彼らの勢力は千手一族にも劣らないわ……」


うちは一族ってそんなに力のある一族なのね…
知らなかったわ……


「私達大名家が生き抜くためにはうちは一族の力が必要なのよ……まぁ大名家の娘が忍一族と縁組みをするなんて例を見ないけど……でもそうするしか、この家はなくなってしまうかもしれない……私達の御母様の実家だって他の勢力に揉み消されて、最後は悲惨な末路を辿ったことを知っているでしょう……!」


「………。」


「……貴方の考えることは全て分かっているわ。でも、今は耐えてちょうだい……」

仕方がない……か…。
耐えるしかないわね…。私は目に溜っていた涙を拭き取り、乱れていた着物をちゃんと着こなした。


「いいわ…。私、婚儀を挙げます。但し、条件があるわ……。」


「何かしら?御父様に申し上げておくわ。あなかが賛同したとお知りになったら、なんとお喜びになることか!」


「一度、女房達に偵察に行かせて。私の住む部屋がどんなものか知りたいわ。後、あちらの方に家具は要らないと手紙で伝えるわ。此方から家具を送ります。安物の家具なんて使えないわ。」


「……貴方って子は…」


そうして、私とうちはマダラの婚儀が決まり、式を挙げる日に刻々と近づいていたのだ……。


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