あの人が…! 「今晩は絢香さんの引っ越し祝いに一杯飲みに行くか!」 「フン…。柱間…お前が奢るなら、行ってもいいだろう。オレは金を払わない主義だからな」 「そうだね、兄さん!」 いやいや、おかしいでしょ。もう突っ込み所が満載で、何処から突っ込めばよいのやら… まず、マダラさん、さっきまで酔い潰れてたのに復活早くない!?しかも、すっごくカッコつけて話してるけど、話の内容はめちゃくちゃだよ…。 それに、イズナさんって一見まともそうに見えるけど、意外と…変わってる? 私は呆然と立っていると、柱間さんに腕を回されて無理矢理、居酒屋さんに連れていかれた。 今、私の目の前には柱間さんとマダラさんがいて、私の隣にはイズナさんがいた。 「先ずはビールと枝豆からだな」 マダラさんは店に入るなり、いきなりビールやら鳥のホルモン焼きを注文したり、近くにあるスポーツ新聞を手に取っては熟読していた。特に競馬の記事欄を。 「あの…私の左隣に住んでいる方って誰…『オレは酎ハイたのもうかな、絢香さんも注文すれば?』」 私が話そうとした瞬間、イズナさんに割り込まれてしまった… 「あの…私の隣に…『ねぇ、兄さん、これ兄さんの好きなやつじゃない?』」 またしても、割り込まれた…もう一度話してみようとすると… 「絢香さん、イズナの前で…『柱間さん、アイツの話をするの、やめてもらえますか?凄く不快です』」 私は察した…。 私の左隣に住んでいる人は何かヤバい人なのかもしれない…。 私はオレンジジュースを注文して、細々と飲んでいると… 「フン…酒も飲めんのか。ガキだな」 と、マダラさんに凄いドヤ顔で言われてしまった。 「私は、お酒が苦手なんです…」 「フン…だからか。お前の体は凄く貧弱だな。」 「う、うるさいです!ていうか、どこ見てるんですか!」 「胸など無いに等しいな。絶壁というやつか」 私は頭の中でピキーンと何かが割れた感じがした。確かに絶壁だけれども!私は必死にパットが分厚いブラジャーを選んで、誤魔化しているというのに…! 「くそニートがァ!だまりやがれ!!」 「落ち着け!!絢香さん!マダラはこう見えて悪気はない!」 「フン…図星か。醜いな」 「もう、許さない!!覚悟しろ!!!」 私はマダラの襟首を掴み、殴ろうとした瞬間だった…… ……目の前に… ……あの扉間さんが現れた。 「すまん、遅くなった」 「おぉ!来たか!紹介するぞ!オレの弟の扉間だ!絢香さん、宜しく頼むぞ!」 ……私は好きな人…いやいや、憧れの人に出会えて…目の前が真っ白になった。 [ 3/9 ] [BKM] |