ハンバーグ作り フフ…今日は親からの仕送りも届いたことだし、奮発してハンバーグ作っちゃおうかな! ということで、私は先程、財布を握りしめてスーパーに向かい、材料を買い揃えた。 「よーし、頑張るぞ!!」 と、私は独り言を言いながら台所に向かい、調理を始めた。 (フフ…美味しいハンバーグを作って、扉間さんに渡そう…!それで、料理が得意なステキ女子大生だという事をアピールするぞ…!ウフフ) 私は下心丸出しで、扉間さんを想いながら調理をしていると、隣の部屋(マダラさんの部屋)から煙草の匂いがした。 例の穴のせいで、最近、色々と悩み(マダラさんのいびきが五月蝿いとか、テレビの音量が凄い…等)が増えたので、私はイライラが増していた。 私は意を決して、例の穴に向かい、布をめくってみた。 「あの!!タバコ吸うのやめてもらえませんか?非常に迷惑………って、きゃああああ!!」 私が穴からマダラさんの部屋を覗くと、パンツ一丁姿のマダラさんがズボンを持って、隣の部屋から現れた。 私は慌てて、穴から離れると、落ち着きを取り戻して、再び調理を始めた。 (……ああ…覗くんじゃなかった…) 私は楕円形に形取ったミンチを焼き始めると、マダラさんが穴から顔を出して、タバコを吹かしていた。 「何を作っている?晩飯か?」 「ちょっと…覗かないで下さい!」 「フン、男の着替えを覗くような女に言われたくないな」 「……あれは、たまたまです!それより、タバコ吸うのやめてもらえませんか?非常に迷惑です!」 私はミンチを焼いているため、台所から離れる事は出来なかったから、大きな声で怒鳴っていた。 「いいじゃないか、一々うるさい女だな…醜い女が説教するな、ますます醜くなる」 「……うるさい!!大体、用はなんですか!?嫌がらせばっかり…糞ニートが」 「おい、今何と言った?何か聞こえたぞ」 「何も言ってませんよ、さっさと部屋に戻って下さい」 私は調理をし終えて、皿を取り出し、盛り付けを始めていた。 (よし!出来た!!これを扉間さんに渡そうっと…!) 私は一番上手く焼けたハンバーグをのせたお皿にラップをして、“扉間さんへ”と書かれた可愛いメモ用紙を張って、テーブルの上に置いた。 そして、エプロンをたたみ、扉間さんに会うために洗面所に行き、化粧を軽くほどこし、髪を整える。 (よし!これで、バッチリ!あとは、あのハンバーグを持って行けば…完璧!) 私はウキウキしながら、居間に戻ると…… 「おい、中々上出来じゃないか。うまいぞ」 と言って、マダラさんが缶ビールを飲みながら、扉間さんのために折角作ったハンバーグを食べていた。 「……ちょっと!!!食べないで下さい!!!ていうか、どこから入ってきたんですか!?」 私はテーブルに手をドンと置き、怒鳴りつけるように言った。 すると、マダラさんは「あそこからだ」と言いながら、お箸で例の穴を指していた。 「ああ…、折角作ったのに!!」 「このオレが食ってやってるんだ、感謝しろ」 「はぁ…もう、やだ……この人…」 マイ箸を持って、むしゃむしゃと食べているマダラさんを見て、呆れ返っていると、私はマダラさんの前に座り、カップラーメンを食べていた。 「フッ、年頃の女が男の前でカップラーメンを食うとは…笑えるな」 「うるさいです、誰のせいだと思ってるんですか」 「…あんな奴より、オレの方が色男だと思うが?」 「自分で何言ってるんですか…ニートが色男とか笑えます」 私はふてくされて、テレビを見ながらラーメンを食べていると、マダラさんがその場で雑魚寝を始めた。 「ちょっと…!こんな所で寝ないで下さい!」 「案外、良い部屋だな。気に入った」 「はぁ!?……私が寝る前には絶対に帰って下さいね!」 「……おい、競馬にしろ。こんな下らんものを見るな」 「ちょっと…話、聞いてるんですか!?」 マダラさんは私からリモコンを奪うと、競馬中継に切り替えて、背中をかきながら見始めていた。 私は色々と諦めて、ポテチを棚から取り出し、むしゃむしゃと食べながら、マダラさんと共に見たくもない競馬中継を一晩中見ていた。 ***おまけ*** ――午前1時 「うおぉぉ!!いっけぇぇ!!私のサンデー〇〇〇ちゃあああん!!」 「お前はこの馬が気に入ったか、中々やるな」 「う、いつの間に……!?」 はまってしまった…。 [ 6/9 ] [BKM] |