「扉間!!お前はナマエに何をした!?こんなに濡れて…しかも風邪をひいているではないか!?……可哀想ぞ!」


「兄者は黙っていろ!」


「柱間様……ただの風邪ですから…へっくしょん!……御心配なさらなくても…はっくしょん!うう…」



私達が屋敷に帰ると、玄関にいた柱間様は私を見ては沢山の布を巻き、火鉢の前へ通し、温めて下さった。



「早く寝巻きに着替えて、早く寝ろ。扉間が…すまなかったな……本当にすまない…」


「柱間様……そんな…頭を下げないで下さいませ。私は大丈夫ですから…へっくしょん!」


「おい、扉間!ナマエをちゃんと看病しろ!」


「分かっている!兄者は黙ってろ!」



そして柱間様は扉間様を睨み付けながら、部屋を出て行かれた。



「……ナマエ、すまなかったな」


「……いいえ、私の方こそ。……私も扉間様を川に引き込ませましたし…へっくしょん!」



私は近くにある寝巻きを取り出して着ようとするが、扉間様はがっちりと此方を見つめていた。



「あの…着替えたいので……部屋を出てもらっても宜しいでしょうか?」


「いや、ワシは構わん。此所で着替えろ」


「いやいや、貴方が構わなくても私が嫌ですから。」

「ほら、早く着替えろ」


「きゃあ!……何をするんですか!……ううっ」



扉間様は私を後ろから抱き締めては、無理矢理脱がしていく。
私が抵抗して身をよじると、口を塞がれた。



「……ナマエ、お前は中々良い体をしているな」


「………!?………ううっ!」



扉間様は私の体を下から上へと見てから着物を完全に脱がして、寝巻きを私に着させた。



「ほれみろ、ワシは何もしなかったぞ」


「………恥ずかしい…もう…お嫁に行けない…実家に帰れない…ううっ…へっくしょん!」



私が部屋の隅で泣いていると、扉間様は私を優しく後ろから抱き締める。


「オレが貰ってやる……」

「……!?と、扉間様!?」


「だから、早くオレを好きになれ…良いな」








―――扉間様がそう仰られた、数ヶ月後―


―――私達は婚儀を盛大に挙げました。



「扉間様と婚儀を挙げるなんて…あの時から考えると、絶対に有り得ませんでしたけどね。」


「おい、もう様付けはやめろ。」


「えっ…なんか馴れません。」


「フン…もう少しで馴らしてやろう」


「えっ……!?ちょっと…待って…まだ心の準備が…」

「覚悟しておけ」




扉間様は電気の紐をおろして、部屋を真っ暗にしたあと……

……私達は無事に初夜を迎えることができました。






最後に、扉間…

私は貴方が大好きよ。


……此れからも宜しくね…



私は隣に寝ている扉間の顔を見ては、小さく囁いた。






→あとがき


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