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満月が綺麗に見える、ある日の夜のことだった。
マダラ様は私の部屋にお渡りになり、お酒を飲まれていた。一方の私はマダラ様のお側に座らせていただき、マダラ様の酒杯にお酒を注いでいた。
「やはり、一人で飲むより、お前の側で酒を飲んでいた方が…美味く感じるな……」
「……マダラ様、あまりお飲みになると御体に障りますわ……」
「案ずるな、オレは酒に強い」
マダラ様はかなり飲まれているのに、いつもと変わらない御様子だ。傍らにいる私は少し心配しつつも、マダラ様にお酒を注ぎ続けていた。
すると、マダラ様は何かを思い付かれたように、お飲みになるのを止めて、私の方へと視線を移された。
「小夜、お前もそろそろ酒を飲んでみないか? この酒はうまいぞ」
「……えっ…私はまだ…」
「飲めないのか? ならば、オレが飲ませてやろうか」
マダラ様がそのような事を仰るので、私は急に恥ずかしくなり顔を伏せていた。すると、マダラ様は私を引き寄せて顔を徐々に近付けていたので、私は自分でお酒を飲もうと、マダラ様から酒杯をそっと奪った。
「……では、いただきますね……」
私は少し飲んでみると、苦く感じてしまい、あまり飲みたくはなかった。しかし、折角マダラ様からいただいたお酒を残してはならないと思い、私は一気に飲み干した。
「……小夜、お前は…存外、酒が好きなのか? これはかなりきつい酒だが、一気に飲み干すとはな……」
私は苦みに耐えていると、マダラ様が酒杯にお酒を注いでいらっしゃるので、私は再び飲み干した。そして、マダラ様は満足したような笑みを浮かべると、再びお酒を召し上がっていた。
「……おい、大丈夫か…?顔がかなり赤いぞ」
「えっ…、そうですか……?」
私がマダラ様にお酒を注いでいる途中に、マダラ様は私の顔を見つめていた。すると、次第に頭がぼうっとしてきて、私はマダラ様に思わず、しがみついてしまった。
「マダラ様、すみません……」
「……飲み過ぎたな。顔や体が火照っている」
「……本当に…すみません……」
マダラ様は私の頬を撫でると、フッと妙な笑みを浮かべて、私の首筋に顔を埋め、耳元で囁き始めた。
「お前が酔った姿は……妙にそそられるな…」
「…マダラ様……ご冗談を仰っては…困ります……」
「こうして見れば、お前の白い肌が赤く染まっているのが分かる…」
マダラ様は私の着物の襟元をはだけさせると、露になった私の胸元を眺める。
「……マダラ様…止めて下さいませ…」
「顔を隠すな…お前の顔が見たい……」
マダラ様は私の顎に手を触れて、背けていた私の顔を一気にマダラ様の方へと向けさせられた。
「ほう……中々良い情景だ」
「…………。」
マダラ様は私をぐっと引き寄せると、耳元で私の名を呼びながら、次第に着物の内部へと手を忍ばせていく。
「……あっ…そこは……」
「……体が大分火照っているようだな」
マダラ様は私を押し倒すと、胸元に顔を擦り寄せて、太ももをゆっくりと撫で回す。
「今夜は楽しめそうだ……」
―その夜はマダラ様も大分酔っていらっしゃったのか、いつも以上に激しく私を抱かれた。
そして、次の朝……
私は気怠い体を起こしてみると、激しい頭痛が押し寄せたのだった。
「……どうした?」
「……頭が痛くて…」
「フッ、宿酔のようだな。もう少し寝ていろ」
「……はい…」
マダラ様は私の寝間着をお取りになると、着付けをなさり、私を抱きながら御休みになられる。
(……今日はオレが側にいてやるから、お前はゆっくり休め)
(……マダラ様…御迷惑をおかけしてしまって申し訳ございません…)
(……なに、オレはこうしてお前と側にいたいだけだ。気に負うな…)
***
マダラ様にお酒を飲まされた小夜を思い浮かんだので、突発的に書いてしまいました