05
「で、痛くねぇの?」
「痛いぞー! 俺も最初はかなり痛かった。泣いた」
「マ、ジで……?」
「まぁ、最初はアレだったし。でも、ちゃんと準備してやればマシなんじゃん? そりゃ少しは痛いだろうけど」
どっちにしろ痛いのかよー。
「どっちがどっちなわけ?」
「あん? どっちがどっちって?」
「だからー、どっちがあのー、女役なわけ? 俺らだったら俺がやられる方じゃん」
「あぁ、そんなこと考えてなかった。でもそんなに痛いなら、俺がやられる方になるわ。あいつにそんな思いさせんの嫌だし」
気にしちまってできねぇよ。
高校から付き合ってた彼女と初めてヤったときも、痛がるのを見た途端にシュンとしたしな。俺の意気地なしジュニアは。
「やっぱ隆は優しいな。だから好きだぁー!」
「やっぱバカだろ」
「照れんなってぇ」
「いや、バカだろ。お前に好きとか言われたら、あの人の冷たい視線がだな……」
「超愛されてるから、俺って」
「マジで迷惑だから」
「つーかさ、紹介してよ」
「あん? サトシを?」
「うん! 俺、今日タクシーで来たから今からお前ん家行こうぜ。大将! なんかお土産になるもんお願いっ!」
「はいよー」
勝手に決めんなよ。
まぁ、いいけど。
「あ、あと焼おにぎりも」
大将の美味い焼おにぎり、サトシにも食わせてやるか。
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