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「ほら」

「やだ! ボーズの言った通りね。同じクラスだわ」

「ね」

「一緒でよかったわね」

「別々になる訳ない」


 小学校は、クラス替えが無い学年だったわ。ギリギリの39人。私たちのクラスだけがずっと持ち上がり。
 だけど、中学は6クラス。初めてのクラス替えはドキドキだったわ。ほら、私ってこんなじゃない? まともに付き合ってくれる人なんてボーズしかいなくて、彼と離れたくない一心だった。でも神様ってほんとにいるのね。3年間ずっと、私たちは同じクラスだったのよ。


「今年も同じクラスで嬉しいわ」

「来年も再来年も一緒だよ」

「ふふ。そうだといいわね。さ、行きましょ!」


 ボーズのことが好き。家族でさえも認めてくれないありのままの私を受け入れてくれるのはボーズだけだった。
 いつの頃だったか、ボーズが私に、年の離れたお姉さんの洋服のお古を渡してくれた時のこと。ずっとスカートを履いてみたいと心の中で思っていた私を見透かすように、可愛いワンピースをくれたの。
 飛び跳ねそうになるくらい嬉しかったわ。もっと嬉しかったのはそのあと。ワンピースを身に付けて鏡の前に立つ私に、『可愛いよ』って言ってくれた。

『すごく似合ってる。もっと着て見せて』

 って。
 恋に落ちるのは簡単だった。

 それ以来、私が着るのはユニセックスなものばかり。スカートを履いたのは、その日だけだったけれど。


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