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 次の日の2年C組の教室にいつも以上に仏頂面の大輔の姿があった。そこへ現れる疲れる奴。


「おはよー。だいちゃーん」

「……倉田」


 灰司だ。灰司は基本的に誰とも連まない。マッチやハリーと仲は良いのだが、教室で話し掛けられれば話す程度。自ら話し掛けにいくのは大変珍しい。


「昨日の女いたじゃーん? その女がさー、昨日だいちゃんの悪口言ってんの見ちったー。なーんかヤバ気だったよーん?」

「どうでもいい」

「まーだいちゃんがいいならいいけどー? とりあえず言っといたからねー」

「……おう」


 この灰司の忠告を、大輔は深く考えていない。その頭を占めているのは昨日の男子高生のこと。
 なぜかは分からない。どうしてこんなにも気になるのか。どうして彼の顔が頭から離れないのか。
 ただ、もう一度会いたい。それだけだった。


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