ニール×
「良いな、これ」
そう言って私はテレビを見る。
「良いなって、お前これCMじゃねえか」
「ロックオンお疲れさま」
「いや、俺は別に構わねえよ」
後ろから声がした。
振り向けばロックオンが居る。
お昼ご飯の後片付けをしてくれたのだ。
彼は私の隣にぽすりと収まる。
「でも凄く素敵じゃない?」
「…もしかしてCMの内容の話か?」
「え、違うの?」
「俺はガン治療の話かと」
そうかそっちかと言って、ロックオンは鳶色の髪を掻いた。
私が見ていたのはとあるCM。
たまたまテレビを点けたら目に入った。
世界で活躍するフィギュアスケーターさんが病気にかかってからのお話である。
中でも最後のシーンに私は惹かれた。
「氷上のプロポーズ、憧れるなぁ」
そう言って、私はうっとりする。
あんな素敵な告白は本当に憧れだ。
「…ルシア、あんな風にプロポーズをされたら嬉しいか?」
「そりゃそうだよ、女の子なら!」
「でもルシアは滑れないだろ」
「うっ、それは…」
正直痛い所を突かれた。
幼い頃からスポーツが大好きな私。
でもスケートだけは別だった。
「現に去年も骨折してるし…」
「う、うるさい…っ!!」
そう、去年の今頃に骨を折っている。
つくづくスケートとは相性が悪かった。
はぁとため息を吐くロックオン。
一方私は拗ねて顔を逸らしてしまう。
きっと呆れているだろう。
「…とにかく、諦めるんだな」
「……ロックオンのケチ」
そう言えば頭を軽く小突かれた。
騎士は愛する姫のため
(お望みならば何だって)
「ルシア、こんなプロポーズはどうだ?」
「…っ、ばか。ばかロックオン!」
人で溢れるスケートリンクでキスを交わしたのは、また別のお話。
―――――
ロックオン夢でした。
某CMから、ネタを頂きました!
あのCM本当に素敵ですよね。
凄く大好きだわ、あれ。
氷上のプロポーズ…良いな。
はぅ、本当に憧れる!
ニールならしてくれそうだよね。
*title:灰色ロマンチスタ
(2008/12/29)
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