O-2 縛り
朝、加賀に見つかって。

クラスは離れていて、階だって違う。朝、加賀や佐野に会うなんて事いままでなかった。
だから安心していた。
「草木」
その声に、草木は振り返った。

みぃ〜つけた。と言わんばかりの表情の加賀緋沙矢(ヒサヤ)が立っていた。
コイコイと手招き。
逆らうと後が怖いのは経験済み。

加賀の後ろを付いて行く。
「早起きはサンモンの得って知ってる? 草木」
「……うん」
「サンモン以上の得したな、俺」

廊下を歩いて人気のないトイレへ入っていく。
1番奥の個室に入れと顎でしゃくった。

個室に入ると、続いて加賀が入ってくる。
後ろ手で加賀は鍵を閉めた。

「脱げよ」
いつの間にか加賀は紙袋を持っていた。
視線が袋へと落ちる。
「さっき2組の前を通ったろ、佐野から受け取った」
気付かなかった僕って。

逆らわず全裸になった草木に紙袋に入ったロープを取り出した。赤い、細いロープ。

「縛るの? 言う事聞くから縛らないで」
手首や足を縛られて犯やられるは正直いやだ。
加賀は草木の言葉を無視して、草木をロープで縛っていった。

いつもみたいに手首などを縛られてると思っていた草木。

身体に感じるロープ。
草木は加賀を見上げた。
「今回、趣向が違うんだよな。やっぱ白い肌には赤が映える」

縛り終えたのか満足そうに頷くと、草木に先程脱いだ制服を渡した。
「それで授業受けろ。我慢できなくなったら、俺か佐野のトコ来いよ」
そう行って加賀は出て行った。

我慢できなくなったら?
草木は首を傾げた。


けれど、すぐそのセリフの意味がわかった。


ロープは、歩く度に感じるポイントに触る。しかも感じるポイントにはロープの瘤。

自分が動く度に感じる。そして熱がどんどん中心に集まっていくのがわかる。
けれど熱が大きくなるにつれ、根本のロープが締め付ける。


今頃、こんなになることを知っていた加賀はにんまり笑っているだろう。


犯されなかっただけ良かったと思った自分が憎らしい。

top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -