「あ、」
唇が離れていく。
司は名残惜し気に声を上げた。
その声に高久は再び唇を合わせる。
午後の保健室。
保健の先生は怪我した生徒を病院に連れて行っていない、二人しかいない保健室。
西日の射す窓。
司の金茶の髪が反射して綺麗だ。
フト見れば着ていたシャツがぬげそうで司のうなじが見えていた。
高久は司を抱きしめるとうなじに舌をはわせる。
司のうなじは司の匂いがして、高久は顔を埋めるのが高久はけっこう好きだった。
「やぁん」
司の甘い声に高久は歯をたてた。
「痛いよ」
「痛いの好きだろ、司」
「好きじゃないもん」
「そうか」
言いながら耳たぶを噛む。
「あ、ん」
「やっぱり痛いの好きじゃないか」
高久は笑った。
「あああっ!」
鏡に写ったうなじ。
「明日、体育があるのに!」
風呂から上がって何気なく横を向いて気付いた、赤い斑点。
もう、どうしてくれよう高久め!