花も嵐も | ナノ


▼ 11

「始まりは、そう、あの日だ」
天狗は煙草に火をつけた。

「長野の田舎って僕の実家で。あそこで僕は中学を卒業した。今は引っ越ししたから、あるのは従兄弟の家とじいちゃん家があるだけ」
天狗は続ける。

「夏休み、よく風祭を見かけた。風祭って爺ちゃん大好きで爺ちゃんといつも一緒で田舎の子供とは遊ぼうとはしなかった……。なぁ、なんで?」
天狗は聞いた。

「ま、いいか。あの日、僕は鞍馬と遊んでた。田舎だし、遊ぶとこなんてないし。小学生の時の延長で神社でたべってた」
天狗はグラスの中身を一口飲む。

「鞍馬って従兄弟なんだよね?」
「そ。従兄弟」
「どうして話そうとしてるの?」
「最後までは話すつもりないよ。はなちゃん、うすうす気付いてるんじゃないの?」
そう言われて。

じゃあ、鞍馬が風祭に暴行したって事なんだろうか?

「続けて」
「おけ。もう、花月さんに聞いた通りだよ、はなちゃん。なんか争うような音がして音のほうに鞍馬と行ってみた。神社の裏に天馬さんがいて、呆然とした感じで立ってた。その先で花月さんが……。僕らも驚いて、その光景見てた……」

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