▼ Prologue
「お前は、花の香りがする」
エイゼンが言った。
「花の香り?」
「ああ」
「さっき温室に行ったから?」
エイゼンは何も答えずにネオンの顔をみた。
『お前は、花の香りがする』
エイゼンが言ったその言葉の意味をネオンが知ったのはずっと後のこと。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「お前は捨てると言うのか。友も、家族も、権利も、名前も、国籍も!」
「……ああ、捨てる。お前の為に捨てる」
エイゼンに家名はない。
なぜなら、ネオンに忠誠を誓った騎士だからだ。
騎士は主ネオンの所有物。ネオンは騎士の権利をすべて担う者である。
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