▼ Clap

最強男 拍手御礼小説
番外編W days
『友情』


「は、母親?」
「うん」
「……そっか」
顔を伏せる凜。

「母さん、見た目若いからね。凜をがっかりさせて悪いけど父さんより年上だよ」
「ええ、マジで」
「うん」
そこで珠希の声がする。

「千歳、聞こえてるで!」
あ、やべ。と、千歳が呟いた。

「珠希さん、千歳の事気にしないで」
仁の声が聞こえる。
仁が側にいれば珠希の機嫌が悪くなることはないだろう。

仁は珠希のお気に入りなのだ。

「あとで千歳には俺から言っといてあげる」
「ほんま?」
珠希の嬉しそうな声。
珠希の興味は千歳から仁に移ったようだ。


「仁さんと千歳のお母さん、仲いいな」
庭を見下ろして眺める凜が言う。

千里もいるのに珠希は仁と楽しそうにしている。千里は煙草を吸いながら仁と珠希を見ていた。

「まさか仁さんて千歳のお母さんの浮気相手じゃないよな?」
「まさか。んなはずないじゃん」
「いや、だって仲良すぎないか。隠してるだけでそういう仲とか」
「もしそうなら父さんがのんびり煙草なんか吸ってるかよ。父さん、勘はいいからほんとにそうならとっくに修羅場ってる」
凜は納得いかないのか窓から庭を見ている。

「凜、父さんてさ、聖城の先輩でもあるんだよね」
私立名門男子校、聖城学院。
全寮制男子校なせいか性の対象が同じ男に向くことがある。

父、千里もそんな1人だ。

「?」
何を言い出すんだといいたげな凜はそんな風習に染まっていなかった。
凜は中学まで市立の学校だったからと、凜は学年で浮いた存在で凜の周りには千歳しかいないせいもある。

「まぁいいか」
こんな事ペラペラ話すこともないと千歳は思い直す。

「なんだよ、言いかけてやめるなよ」
「凜のそういうとこ、好きだなぁ」
その鈍いとこ。と、こっそり心の中で付け加える。

「はぁ!? 何だそれ」
聖城の中では千歳しか知らない凜。

「そのまんまでいてくれ、凜」
ますます訳わからない顔を向けてくる凜。

「凜と友達になれて良かった」
「……ああ、俺も」
「あとで父さんに紹介する。ヤクザの組長って思わないで。オレの父さんとしてみて。とって食ったりしないから。ここでは組長の顔は決して見せることはないから」
ね? っと凜に顔を向ければ、わかったと返ってきた。




←top
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -