小説(短編) | ナノ
猛獣系男子(シャンクス/ 男受主)









『なあシャンクス、指貸して』



ファーストネームにはちょっと変わった趣味がある。ちなみに俺は恋人だが、そんな俺でも理解しがたい趣味だ。俺はファーストネームの頼みに、またか、などと困った風に眉をひそめて苦笑いをしながらも、言われた通りに右手を差し出す。そのまま腕を引かれてベッドまで導かれ、そこに腰かけると、ファーストネームも隣に座った。俺はじっとファーストネームの様子を観察する。
ファーストネームはペロッと一度だけ唇を舐めると、俺の人差し指にキスをした。指の根元から爪の先まで何度も繰り返されるキスは、なんだかくすぐったい。ひとしきりキスをしたら、本人いわく今度はいよいよ本番らしい。人差し指を第一関節まで口に含むと、舌の先端でやわやわと刺激される。指の腹から側面まで、余すとこなく全部を舐められるのだ。時折指を引き抜いては、手のひらや手の甲を舐めたりキスをしたりするファーストネームは、名前を呼ぶと視線だけをこちらに寄越す。上目で俺を見ながら作業を続ける様は、まるで本当にフェラをされているようだ。



「そんなに好きか?俺の指が」



前々から気になっていたこと。どうして指なんか舐めるのか。まあ世の中いろんな人間がいるし、変わったフェチ(すなわち異常性欲)の持ち主だっている。血に性的興奮を覚えたり、痛くされて気持ちよかったり、俺も今までたくさんの事例を見てきた。これもその中のたったひとつにすぎないのだが。俺の指が好きなのか、という質問に対し、ファーストネームは指をくわえたまま、ん、と頷いた。どうしてだ?次いで尋ねた質問に対しては、ファーストネームは指を引き抜いてから、エロい気分になって気持ちよくなるから、と答えた。ファーストネームは答え終わるとすぐさま、再び指をペロペロと舐め続けた。要するにあれか、自己満足に他ならないものというわけか。まあ俺を気持ちよくさせようと思うならもっと他の方法があるだろうから、最初からだいたい予想は出来ていたことだが。
だが驚いたな。指を舐めてるだけで気持ちよくなれるとは。ファーストネームも俺と同じ男だから、てっきり性欲処理はそれなりのことをして、最終、欲を吐き出さなければ終わらないものだとばかり思っていた。しかしそれは俺の思い違いだったらしい。世の中にはいろんな奴がいたもんだ。



俺はファーストネームの額に顔を寄せると、鼻先で顔にかかる髪を軽く退けて、小さなリップ音をたててキスをした。するとファーストネームはくすぐったそうに笑って、なんだよもう、と額を突き合わせて押し返してくる。そんな子どもっぽいところもこいつの魅力だろう。よだれまみれになってしまった手をシーツで丁寧に拭うと、俺はファーストネームの左手に指を絡ませ、ベッドに押し付けると、ゆっくりと体重を乗せて押し倒した。額や瞼、鼻先といろんなところにキスを落とすと、ファーストネームは目をつむってクスクスと笑う。シャンクスは甘えん坊だな、と言われ、それはどっちだという文句を込めて唇に吸い付いた。少しファーストネームの口内を堪能するだけですぐに唇を離すと、ファーストネームは、でもそんなシャンクスが好きだなぁ、と俺の髪を空いている右手ですいた。
次は本当のフェラをやってみるか?そう尋ねてみると、ファーストネームはうーんと首を捻り、困ったように笑った。



『シャンクスの絶対でかいしグロいもん』



ばか野郎、なんてことを言うんだ。俺の息子はそりゃあ立派で、今まで何人もの美女を虜にしてきた人気者なんだぞ。お前のちんちくりんとはわけが違う。
かくいう俺たちはまだお互いに裸も見たことがないような関係なのだが、そんなことは棚にあげ、俺たちはよくこんな下世話な言い合いをする。



「だがなファーストネーム…俺は生憎、そんなに気が長い方じゃない」



挑発的な笑みを浮かべて見下すと、ファーストネームの表情が少し強ばる。俺はそんなファーストネームに年甲斐もなく勝手に欲情し、噛みつくようなキスをした。











猛獣系男子



(でもおれは肉食系男子が嫌いなんだ)
(俺は猛獣系だから問題ないだろ?)







fin





20111225


シャンクスゥゥゥゥゥウ!!!
えっと、ただシャンクスの指をペロペロさせたかっただけですけどね←
あ!メリークリスマス!!!(´▽`*←






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