小説(短編) | ナノ
*チョコレートリボン(シャンクス/ 男受主)







せーの、だなんて勢いをつけて体を沈めたファーストネームを、ムードねぇな、と笑ってやると、短く息を吐きながら俺の胸板に両手をついた彼は、なら入れられる側のことも考えろ巨根が、とそれは誉めてるのかと聞きたくなるような台詞を吐いた。苦しそうなファーストネームの腕をつかむと、痛みからか緊張からか、白い肌はじんわり汗ばんでいた。
動けるか?そう確認をとると、こちらをうらめしそうに睨んだファーストネームは、動きたかったら縮め!と怒鳴った。そんなにキツいのか、と到底分かりそうもないケツの痛みを想像しようとはせず、ファーストネームが自分で動くのを待つことにした。



『ちょっと待てよ・・・いま動くから・・・』



視線は俺の腹筋に落としたままゆるく腰を回し始めたファーストネームは、眉間にしわを寄せて苦しそうに息を漏らした。額から流れる汗とか熱い吐息とか表情とか、その全てが俺の神経を目一杯刺激した。やがて、だいぶと密部もほぐれてきたのか、ファーストネームはゆっくりと体を上下に動かし始める。食い縛った歯、ひきつった口元からは微かな喘ぎ声がもれた。



「そんなんじゃ・・・足りねェだろ?」



延々と続く緩い刺激がなんだかもどかしくて、それも全部ファーストネームのせいにした俺は、細い腰にそっと手を添えると、腰が浮いた瞬間を見計らって下から強く突き上げてやった。今まであんまり上手に刺激されていなかったらしい前立腺を抉るように大きく腰を動かすと、腹の上でぼたぼたと先走りを溢すファーストネームのそれは、びくりと脈打った。それと同時に、あっ、と喘いだファーストネームは、顔を真っ赤にして思いっきり俺の腹筋を叩いた。そんなファーストネームを下から笑い、腕を掴んで引き倒した。



『シャンクスは意地悪だ・・・』



「嫌いか?」



胸板にぺたっと頬をくっつけて腹の上に寝たファーストネームは上目で文句を言うと、体の傷痕を指先でつーとなぞった。いじけるファーストネームが面白くて尋ねた質問に対し、彼はしばらく黙り込むと、唐突に俺の首筋に吸い付いてきた。ずいぶん長い間強く吸い付いていたファーストネームは、ちぅっと可愛らしい音をたてて唇を離した。それから満足そうにそこをなぞると、嫌いなわけないだろ、と俺の右手に指を絡ませてきた。



初めてファーストネームにキスマークをつけられたという喜びと、あまりにも可愛らしいその行動に、俺の理性は海の彼方に失われてしまった。ずくり、と疼いた下半身にはさらに熱が集まり、鼓動が速くなるのがわかった。
俺はファーストネームの手をしっかりと握り返すと、上体を起こさせた。騎乗位でファーストネームが気持ち良さそうに自ら腰を振るいやらしい姿を見るのも楽しいが、今回はどうも、そこまで余裕がない。俺はファーストネームに腰を浮かせるように命じた。俺の脇腹の両脇に腕をついたファーストネームは、抜けない程度に腰を浮かせると、赤くなって潤んだ瞳でこちらを見た。



「天国にイかせてやるよ」



思いっきり低くて甘い声で囁いて、わずかに覇気も放ちながら腰を撫で、激しく突き上げた。結合部から発せられるじゅくじゅくといやらしい音やぱんぱんと肌がぶつかる音、それにファーストネームの必死な喘ぎ声が、俺の気持ちを余計にあおった。うねる内壁が先走りと粘液でぬるぬると滑り、先端から根本まで余すことなく絡み付き、全てを搾り取られるような感覚がとてつもなく気持ちがいい。



『あっ、あ、あ、シャンクスぅ・・・・!』



体を支えている手足をガタガタと震わせたファーストネームは絶頂が近いらしく、開きっぱなしの口からはひっきりなしに声がもれ、よだれも垂れている。とりあえずそんなファーストネームを腹の上に寝かせ、体勢を整えた上で再度腰を打ち付けた。体位を変えたことで擦れる場所も変わり、さらにお互いの腹でファーストネームのものが刺激され、どんどんと快感が増していった。



「っ、ファーストネーム・・・」



『んっあ、あ、っ!』



最後はとびっきり甘く果てさせてやろうと思って、涎でべたべたになっている唇に吸い付いた。突き上げのリズムにあわせて喘ぐファーストネームはもうキスに答えることも出来ずにただひたすら声を上げた。途切れかけの意識の中、精一杯の力で手に触れてきたファーストネームに応えて指を絡ませると、瞬間、そのまま手をぎゅっと握られ、中が収縮した。その締め付けに、つられて俺まで射精してしまった。キスをしていたおかげで声を飲み込んでしまったらしいファーストネームは、何度かびくびくと痙攣を繰り返し、脱力した。



『はぁ・・・はぁ、ん・・・』



「大丈夫か?」



荒い息を整えながら、ファーストネームは猫みたいに首筋に頭を擦り付けてきた。汗でぐしゃぐしゃになった髪を撫でてやると気持ち良さそうに目を細めたファーストネームは、今すぐにでも眠ってしまいそうだ。不意に脇腹がくすぐったくなって手をやると、ぬるっとしたものに触れた。ああ、そうか。ファーストネームは俺と自分の腹の間に出したんだったな、と理解し、また処理が大変そうだと苦笑いを溢した。



さてと、そろそろ風呂に行こうか。余韻にも十分に浸ったところでそう提案すると、ファーストネームは嫌だとシーツを掴んだ。早くファーストネームの中から抜かないとお互いに不衛生だし、汗だくのまま眠るのはちょっと嫌だ。シーツも代えないといろんなもので汚れてしまった。しかしファーストネームはやっぱり動きたくないと言い張る。面倒くさがりは嫌われるぞ、そう言って肩を掴むと、ファーストネームは俺を睨んだ。びっくりして動きを止めると、ファーストネームは俺の肩に手を回し、ぎゅっと抱き締めてきた。



『抜いたら・・・シャンクスのが出るだろうが・・・』



もったいない、と言って目を反らしたファーストネームがあまりにも可愛くて、密着している肌から今の爆発しそうな鼓動が聞こえてしまってるんじゃないかとちょっと不安になった。
あと少しだけ、繋がっていようと思った。









チョコレートリボン



(それくらい毎日でも注ぎ入れてやるよ)







fin




20110915


ほんとにシャンクスの精液とかもったいないと思いませんか←






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