小説(短編) | ナノ
海上のプリンセス(ルフィ/女主)
『船長』
「ん?」
太陽の熱で暖められた芝生の上で仰向けに寝転んだファーストネームは、顔を覗き込んでくるルフィを呼んだ。
『私さー』
「うん」
ルフィはファーストネームの隣にどかっとあぐらをかいて座った。
ルフィの影が取れて、目の前に現れた太陽にファーストネームは目を細めた。
『私、魔女に呪われたんだ』
「魔女?」
ルフィはとうとう目を瞑ったファーストネームの顔を、不思議そうに見た。
「それって、どんな呪いなんだ?」
ルフィが尋ねると、ファーストネームは少し考えるように口ごもった。
『あれだよ…あれ』
「あれ?あれじゃわかんねぇよ」
風がふたりのあいだを吹き抜けた。
『ちゅーしないと起きられない呪い』
ルフィは「ふーん」と相づちをうった。
ファーストネームの顔は少し赤く色づいているように見える。
「で、ファーストネームは誰にキスしてもらうんだ?」
『………分かんない』
ルフィはいたって真面目に尋ねる。
ファーストネームは少し黙ったが、分からないと答えた。
「………」
『………』
暫しの沈黙の後、ルフィが口を開いた。
「俺がしてやろうか」
『え?』
ルフィはファーストネームを見てにかっと笑った。
「目…つむれよ」
『嫌だ恥ずかしい』
ファーストネームはうっすらと目を開いて、しかめっ面でルフィを睨んだ。
すると、ルフィはファーストネームの顔に自分の顔を近づけ、被っていた麦わら帽子を手に取ると、それでふたりを隠すように影を作った。
『ルフィっ…』
「………」
焦って口を開いたファーストネームの唇に、薄いルフィの唇が触れた。
海上のプリンセス
(ば、馬鹿か…!)
(ファーストネーム、顔真っ赤だ!)
fin
20110809
かっこいい船長大好きですwwww
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