小説(短編) | ナノ
きみだけ(サンジ/男受主)
サンジくんって、女の子大好きじゃない?目とかハートにしちゃって、後追っかけ回して。なのに本命はファーストネームなんでしょ?
「アンタ、嫌じゃないわけ?」
『へ?』
いけない、思わずキョトンとしてしまった。
ブレイクタイム。サンジの作ったリラックスおやつを食べているナミといろいろお喋りをしていると、急にサンジのことについて尋ねられた。今まで天候の話しとか次の島の話しとかしてたから、予想もしてなかった変化球に対応出来なかった。すると、だーかーらー、と再度質問を繰り返してくれたナミは、私なら絶対に許せないわ!などと、関係ないのになぜかプンスカしていた。
『いやー・・・でも、ちゃんと大事にしてくれてるし』
不意に後ろを通りかかったサンジに、ね、と話題を振ると、まぬけな声をあげてこっちを振り返ったサンジは、ロビンへのリラックスおやつの配達を終えたらしい足を止めた。そんなサンジに食いついた、というか噛みついたのは、先ほどから一人、頭にきているナミだ。
サンジくんは“一途”って言葉を知らないの!?我慢強いファーストネームは何にも言わないけどね、すっごく寂しがってるんだからね!気付いてあげなさいよ男なら!と、マシンガンのように意見をぶつけるナミに、サンジもたじたじだ。
「いやぁ、でも・・・女性は魅力的だし・・・」
「まぁだそんなこと言ってるの!?」
まるでイタズラをした犬のようにしゅん、としてしまったサンジは、余計な口答えをしたせいでナミにコンコンと説教を受ける羽目になっている。黙って頷いていればいいものを。素直なんだから、と困ったように笑うと、ナミはこちらをちらっと見て、あとは二人で話し合いなさい、とその場を去った。
二人っきりで残されてしまったが、これもこれで結構困る。どうしようかと目を泳がしていると、サンジが口を開いた。
「俺、レディが好きとかなんとか言ってっけど、ちゃんとファーストネームが一番好きだからな・・・!」
なんだか必死になってるサンジがおかしくて思わず吹き出してしまったぼくに、サンジは、笑うな!と歯をギザギザにして怒鳴った。それから、ぼくの頭をぐしゃぐしゃと撫でると、耳元に顔を寄せた。何か秘密のお話でもあるんだ、と思い、こちらからも耳を寄せたが、後で後悔することになる。
「今夜俺、見張りだから」
お前も来いよ。そう言って耳にキスをしたサンジに、ぼくは顔に熱が集まるのがわかった。言葉の意味を理解してしまったし、急にキスをされたことにもびっくりしたからだ。
ああいうキザなところも、レディが好きところも、ナミの説教が苦手なところも、料理がうまいところも、全部を含めて、ぼくはサンジが好きだ。
きみだけ
(見張り台行く前にちゃんとシャワー浴びとかなきゃ・・・)
fin
20110821
初!サンジ夢うpです(・ω・)
今晩、ファーストネームくんは見張り台でサンジに食べられちゃってください(´`*
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