小説(短編) | ナノ
my sweet home( マルコ/男受主)
朝目が覚めて一番に目に入るのがマルコの顔とか、おれは最っ高の幸せ者だ。シーツに埋まりながら、ほんの数センチ目の前で、おれと向き合うようにして眠るマルコの顔をじっとみつめる。やっぱりかっこいいなぁ、なんて考えると、思わずにやにやと口元が緩む。
マルコの腕を持ち上げて、その内側に滑り込み、誇りの彫られたたくましい胸板に擦り寄る。まるでその空間がおれのためにあるものであるかのように、おれはマルコの腕の中にすっぽりとおさまった。
「・・・・言えば抱き締めてやんのに」
『あれ、起きてた?』
今起きた、と小さく笑うマルコは、気だるそうにおれの髪をすいた。まだ眠たそうに目を薄く開いて、ぼーっとしているマルコを指摘してやると、昨日先に寝やがったお前の後処理してたんだよい、と頭を小突かれた。そういえばそうなような気がするなあ。しょうがないさ、満足したら急に眠くなったんだから。
濡らしたタオルで汗まみれになった全身を拭いてくれたらしく、体はどこもサラッとしていて、気持ちがいい。
「ファーストネーム」
呼ばれて顔を見上げると、額から目元、鼻先やほっぺたまで、ついばむようなキスが降ってきた。なんだかくすぐったくて、クスクスと笑いながら身をよじる。すると、シーツの中でおれの足は、マルコの足の間に挟み込まれ、がっしりと動けないように捕まってしまった。
おれも負けじと唇を軽く突き出して、マルコの顎とか、唇の下とか、とにかく届くところにキスをした。
こうやって、ベッドでただ触れ合っているのが、おれは大好きだ。時間がゆっくりと流れているような、穏やかな気持ちになれる。
『大好きだ・・・』
おれがマルコの首に腕を回して、ぎゅーっと力を込めると、マルコもおれの背中に腕を回し、強く抱き締めてくれる。素肌が密着して、お互いの温度が体に流れ込む。
安心する。おれの居場所がここにあるんだって、そう実感できるから。
『なあマルコ』
おれの体にある傷を指先でなぞりながら、マルコはおれの目を見た。おれも少しだけ体を離し、マルコと目を合わせた。
どこにも行かないよな?そう言いかけた言葉は、唐突な口付けのせいで、喉の奥に飲み込まれた。急に全身の力が抜けて、思わずマルコの肩に爪を立てた。
「絶対に・・・離さねぇよい・・・・」
やっぱりマルコはすごいや。おれの考えていることなんか、全部お見通しなんだ。マルコがおれを離してくれないのなら、マルコがどこに行こうと、おれはずっとマルコと一緒にいられる。
指を絡ませてマルコの手のひらを握りしめると、マルコもしっかりと握り返してくれる。
本当におれは幸せ者だ。
my sweet home
(甘ーいマルコが大好きだ!)(甘いのはファーストネームだろい)
fin
20110818
こうやっていちゃこらしてるだけの夢って大好きなんです!
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