ねぇ、仁王

君の事がたまらないくらい大好き

だからってさぁ…



「無視しなくてもいいんじゃない?」

「そんな毎朝、毎朝言われてるからのぉ」

「ワタシの気持ち伝えてるだけじゃん」

「ほいほい、嬉しいぜよ」

「……気持ちこもってない」

「じゃあ、何を言えばいいなり?」

「仁王の気持ち教えてよ」



そんなストレートなことを言ってみると

少し困ったようにあごに手を当てる

あぁ…なんてかっこいいんだろう



「もしキライって言ったらどうする?」

「好きになって貰うまで言い続ける」

「……もう何も答えたくないナリ」

「えぇーなんでよ!!!
じゃあ、仁王はワタシのことキライなの?」

「…………」




あっ…黙っちゃった……

ワタシちゃんと言ってほしいだけなのに

ちゃんと相手の気持ち知りたいだけなのに




「さぁ、どうじゃろな?」

「…はぐらかすなー…」

「俺はペテン師じゃからのぉ
自分の気持ちは言わないなり」

「言葉で言わなきゃ伝わらない」

「じゃあ……」




そういうと、君はほっぺにキスをしてくれた




「言葉じゃなくても、気持ちは伝わるぜよ」

「…え……ええぇぇぇえええ!!!」

「っ!!?な、なんぜよ?」

「え、仁王ってワタシのこと好きなの?」

「じゃったら?」

「絶対嫌われてると思ってた…」

「ほぉー…そうしてほしいんか?」

「嘘です、ごめんなさい
アナタの事が大好きです」

「ん、いい子じゃ」




そう言って頭を撫でてくれた

そっか、ペテン師の気持ち

言葉じゃなくて、態度なんだね――…





□■END■□
(じゃあ、何で無視してたの?)(…なんて答えていいか分からなかったナリ…)


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