風邪じゃないよ花粉だよ


※過去拍手(20111101〜20111222)




昼食。
俺と白石は机を向かい合わせて弁当を広げる。いつもと変わらん弁当の時間。の、はずやった。

「ぶえっくしょん!!」

「…」

俺の前に居るのはいつものエクスタ白石じゃなくて鼻水ダラダラの白石やった。これはお世辞でも絶頂とは言えんぐらいひどいもんや。

「ぶえっくしょん!はっくしょん!」

「あ〜!もう白石うっさいわ!!」

「なんや謙也!は…はっくしょん!」

「ちょ!俺の弁当飛ばすな!!てかマスクしろや!」

「なんで俺がマスクなんかしやなあかんのや!」

「お前のくしゃみが煩いからやろ!お前は常に健康を心掛けとるはずやのに風邪なんかひいたらもう終いやないか!この絶頂野郎!!」

「アホ抜かせ!これは風邪なんかとちゃう。花粉や!ぶ…ぶえくしょん!!」

「…花粉も一緒やないか。頼むからマスクしてくれん?弁当死守しながら食べるん大変なんやけど…」

「ん〜…?だって俺マスク持ってへんもん。はっくしょん!」

ため息を一息ついてから俺は弁当に目線を向けた。こん中に白石から出てきた花粉の菌が入っとると思うと自然に食う気が失せる。なんでこいつはこういつも自由なんやろ…。と思いながらまたひとつため息をこぼした。白石は鼻水たらしながら不思議そうに俺を見とった。こいつは鼻水を拭く為のティッシュも持ってへんのか。

すると、クスクス笑いながらクラスの女子が近付いてきた。

「白石、すごいくしゃみやなぁ〜。風邪?」

「俺が風邪なんかひくわけ無いやろ!花粉や花粉!」

「まぁ大体話は聞いとったんやけどね〜。これ、つこて。あまりにも忍足が可哀想やわ」

そう言ってそいつが差し出したんはまだ新品のマスクやって、白石が「ええの?」と一言聞き、そいつはニコッと笑って「全然ええんよ〜。ほなね」とマスクだけ置いてすぐに昼食へ戻っていった。なんやええ奴やん、と少し感心してる間に横では白石が早速マスクをつけていた。やっとこれで安心して弁当が食える。俺はホッと肩をなで下ろし改めて白石を見る。


………あ。


これは、あかんわ。

「…?なんなん謙也。俺の顔になんか付いとる?」

あかん。もう、堪えきれへん。

「ハ…ハハハハハハハッ!!!」

どっと、クラスに笑いが沸き起こる。白石は何が起こったか分からないのか周りの人の顔を伺いだした。クラスの奴らは皆白石に注目してるのに。だって、白石、そのマスク。



第三の眼が描かれとんのやで?




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(…は!なんや謙也、俺激しく皆にお礼言いたくなってきたわ!)

(勝手に言うとけやあほっ)











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