真田生誕記念






鳥の囀ずる声が聞こえ、ゆっくりと目を覚ます。目覚まし時計や、無論母親に等頼って起きれないほど俺はたるんでいない。
体を起こし、布団を畳んで朝練の準備へと手を進める。朝食を素早く済ませ、行ってきますと一声かけると、廊下の奥から母親の行ってらっしゃいの声。

今日は少し準備に手間取ってしまったため、急いで行かなければ。副部長たるもの、他の部員よりも早く行き準備を始めておかなければならないからな。

誰かに言うわけでもないが、自分の立場は常に確認しておくべきだ。俺は今一度今日やるべきことを確認し、学校へと足を向かわせた。





この時間帯に学校に居るものは中々少ない。先生方の車を見る限り、まだ三分の一も来ていないのではないだろうか。朝の静かな空気や涼しさを心地好く感じながら、俺は部室へと急いだ。





「…ん?」

部室が視界に入ってきたが、それと同時に俺は疑問の声を漏らした。

「…仁王、どうしたんだ。こんなに早く」

「なんじゃい真田。俺が朝練に来たらそんなにおかしいか」

いや、普段のお前は朝練どころか午前中の授業にさえも出ていないだろう。と、思ってはみたが、朝練に来ることは悪いことではないのでここは黙っておく。

「では何故外にいるのだ?中に入ればいいものを」

「お前さんを待っとったんじゃよ、真田」

その言葉と同時に仁王は部室の扉を開け、中へと俺を招き入れた。
瞬間、視界が一気にカラフルなものに埋め尽くされ、時間が経てばそれは消え皆の笑顔を映し出した。そして俺はクラッカーを鳴らされたのだ、と少し遅れて反応する。

「お誕生日おめでとう、真田」

そう言って幸村から手渡されたプレゼントには、お菓子やらラケットのグリップテープ、汚い字で書かれた肩たたき券までもがあった。

「皆…この様な祝いの場を設けてもらって、本当に嬉しく思う。こんなにプレゼントも用意して…返って悪い気がするな」

俺が皆に感謝の言葉を述べると、赤也が嬉しそうに身を乗り出してきた。

「おめでとうッス副部長!このグリップテープ俺が選んだんですよ!!」

「む、そうなのか?ではこの肩たたき券は誰が…」

「あ、それ?俺だよ」

と言って手を挙げたのは、部室に入ってから常に笑顔を絶やさなかった幸村だった。

「真田のために全力で力を込めるからね。もちろん気持ちも込めるから!多分!」

「…」

「どうした弦一郎、顔色が悪いぞ」

「…」

「因みに精市の握力は測定不可能だ。握力計が壊れてしまうのでな」




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HappyBirthday 真田!!










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