知っているから






「…あ!部長部長!!」

「なんだい…赤也?今日は英語の補習のはずじゃあ…」

「なんだと!?たるんどる!!」

「ぅお!?真田副部長…!いたんですか…」

「そんなことはさておき…。俺に何か用かい?」

「そんなこととは…」

「そーなんッスよ!あの…仁王先輩見ませんでした?」

「仁王?見てないなぁ…。」

「どうせまたどこかで涼んでるのだろっ!たるんどるっ!」

「そーッスかぁ…。実は今日の補習も仁王先輩のせいなんスよ。だからちょっと文句を言ってやろうと!」

「フフッ。また騙されたのかい?」

「なんて騙されたんだ?」




「…へ?」




「だから何を騙されたのかと聞いているんだ」

「あぁ!えっと…数字の書き取りテストでfifteenの次はthirtyだって言われて…」

「「…!?」」

「俺もすっごい納得したんですけど違うくて…」

「ちょちょちょっと赤也?」

「?なんスか部長」

「一体どこに納得したんだい?」

「へ?だってテニスしてても15の次は30じゃないスか。」

「…た…た…るんど…る…」

「…わかった。仁王には俺から言っておくよ」

「ほんとッスか??」

「うん。だから…真田。先に練習を始めててくれないか?」

「あぁ。わかった」

「じゃあ赤也も頼むよ」

「どーもッス部長!!」












「…さて、と」

「聞いてたよね?仁王?」

「…プリッ」

「後輩をいじるのも程々にしないと…後知らないよ?」

「…わかっとる」

「あと…そんな日陰で休みすぎたら風邪引くよ」

「…」

「あぁ!サボりすぎたらかな?」

「…相変わらず悪趣味じゃのう」

「誉め言葉として受け取っとくよ。とりあえず俺は練習行くから…。仁王もしばらくしたら来なよ?いいね?」

「…プピーナ」













俺は君がサボってても何も言わないよ

イリュージョンをするためには通常の倍以上の観察力が必要になる。人を観察することは試合をするよりもかなり体力を浪費する。
詐欺師の名が廃らないよう君が人一倍努力していることを

俺は知っているからね。




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(赤也…。そろそろやばいなぁ)










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