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 ハロウィン小話2014

ハロウィン小話 蜜空間
【神田×有希】


夜ご飯の時に出された、カボチャ味のマフィンを美味しく味わいながら咀嚼し終えた時だった。

「Trick or Treat?」

…神田さんからそう言われたのは。



「………え?」

俺は突然の言葉に驚いたのと同時に、呆けてしまった。
だって、此処は俺の家ではなく、隔離された場所だ。食事だって出された物しか食べられない。そんな事は神田さんだって知っているはずだ。
それゆえ、俺がお菓子なんて所持しているわけがない。

……それに、出されたお菓子は今しがた食べ終えたばかりだ。

「えーっと、お菓子は今食べちゃったんですけどー…」

それはもう美味しく食べさせていただきましたよ。

「………だから、お菓子は持ってません」

もしかしたら神田さんは、あのマフィンを大層気に入ったのだろうか。…俺の分も欲しかったのかな?

「ああ、知ってる」

「…………」

「食べ終えたのを見計らって言ったからな」

「………何がしたいんですか?」

げんなりとしながら、訊ねれば。
神田さんはニヤリと笑って、こう言った。

「お前に悪戯をする為の口実作り」

「…っ、」

「さあて、どんな悪戯しようかなー」

「そ、そんな道理が通るわけないでしょっ?」

「通るんだよなあ、それが」

どんな俺様ルールだ、ふざけんな。

…と、言いたい事はいっぱいあったけれど。俺は文句を言うより先に、身の危険をヒシヒシと感じたので、逃げようとバスルームへと駆け出した。


………のだが。

「おい、こら」

「…わ、っ!?」

それよりも先に、捕まってしまった。

「逃げようとする悪い子には、悪戯と仕置きのセットだな」

「そんな、アンハッピーセットいりません!!」

「まあ、遠慮するなよ」

「…え、っ、ちょっ、待って、」

「……時間はたっぷりある。楽しもうな?」

「ひ、っ!?ぎゃあああああ!」


(神田さんだけ)HappyEnd



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