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櫂名様、けみ様、kana様、みや様/「タカニコで海ネタ?(エロなし)」







「な?高瀬、…いいだろ?」

「駄目。」

「…なんでだよっ」

「駄目なものは駄目だから。」

「………っ、」


この押し問答が一時間以上続いている。
「何で?!」、「駄目なものは駄目」、理由を訊いてもそれらしい返答が返って来ない。ただ鼻から駄目だと高瀬は決め付けるのだ。

「海」。

この8月の暑い時期には海やプールに行くに限る。それに俺は高瀬だから一緒に海に行って遊びたいと思っているのに、何故だか頑なに高瀬は海に行くことを拒む。



「…高瀬、まさか泳げないとか…?」


万能な高瀬が泳げないわけないだろうが、こんなにも海に行く事を拒むものだから、泳げないのかと少し思ってしまう。
泳げないのか訊ねれば高瀬はジロリと一度俺を睨むと、首を横に振った。


「違ぇよ。」

「だったら、何で嫌なの?」

「……………」

「…俺と一緒に遊びに行くの嫌だ?」

「……違う。」

「理由、…教えてよ。」

「………。」


優しい高瀬がこんなにも拒むのだ。それなりの理由があるのだろう。…我侭だろうけど、ここは俺も譲れない。だって高瀬と一緒に海行きたい。きっと高瀬は凄く凄く格好良いだろうなぁ…。



「………だって…」

「え?」

「…仁湖の…」

「……?」

「仁湖の、…身体を俺以外の人が見るの、……嫌だ。」

「………っ、」


ああ、やばい。
これはずるい。
胸、…打たれたような気がする。
申し訳なさそうに眉尻を下げて、理由を話してくれた高瀬は本当にずるいほど可愛かった。



「…誰にも見せたくない。」

「……高瀬」

「仁湖は俺のだろ?」

「う、ん…」

「だから駄目だ。」

「…………」


そんな嬉しい事言われたら、もうこれ以上言えないじゃんか…。高瀬は海に行くのが面倒だからとかそんな理由ではなく、いつものように俺の事を第一に考えてくれていた。
俺の身体を誰にも見せたくない、……って俺は別に男なのに…。
で、でもこういう風に大事にされて、嫌じゃないから何も言えなくなるのだ。



「海じゃなくて、何処か違う所に行こうか。」

「…………」


別に海じゃなくても、夏ならではの遊べる所は探せばまだまだあるはずだ。違う所を提案すれば、何故か再び高瀬は黙り込む。



「…高瀬…?」

「でも、…本当の所は…」

「……?」

「仁湖と一緒に海に、行きたいとも思ってる…」

「どういうこと…?」

「仁湖の身体、誰にも見せたくないと思っている反面、…仁湖の水着姿、…見てみたいとも思ってる。」

「…………、」

「…我侭だな、俺。」


高瀬は「悪い…」と言うと、俺の身体にギュッと抱き付いてきた。

ああ、本当にずるい。
こんなに優しくされて、こんなに愛されて嬉しいと思わない人なんて居るわけがない。自分の頬が段々と熱くなるのを感じた。



「あ、のさ…」

「……ん?」

「俺に、良い案があるんだ。」

「案…?」

「うん。」


良い案というのを高瀬には教えずに、俺は高瀬の手を引っ張って自分の家の倉庫からあるものを取り出した。




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