俺は昨日考えていた通り、いつもより40分早い登校をした。
だからもちろんいつもより早く起きて、弁当作りをしたため、少し眠たい。
だけど、あの高瀬の恐い目付きに比べれば、こんな早起きへっちゃらだ。
ガラッと教室の扉を開く。
やはりそこには、誰の姿もなく、
……姿もなく、
そう。姿はないはずなんだ。
あれ?
姿があるんだけど……。
え?
えぇぇっぇぇっ?!
「な、……な…んで…?」
「……………」
しかもその人は、俺が会いたくなかった、
高瀬葵……。
…ど、どうしよう?!
高瀬も俺のこと見てるし…っ。
だけど昨日みたいに、恐い目付きではない。
け、けどどうする?
このまま何も言わず、席に座ってもいいものか?
と、とりあえず、「おはよう」と言って、自分の席に座れば大丈夫だよな?
「お、…おはよう。」
「…………あぁ。」
あ、返してくれた。
まぁ、「あぁ。」しか言わなかったけど…。
俺は高瀬の目線を受けながら、自分の席に着いた。
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