課題をするために必要なルーズリーフを買いに行こうとしたのが、それがたまたまフェイが家に遊びに来てる時だった。最初はそれだけの事だったんだ。そう、ただそれだけ。

なのに……────


『ひ、あっ…あぁっ』

「名前…っ」


粘着質な水音。床に散らばった私の服。甘い声。もし今ここでお母さんが帰って来ちゃったら吃驚しちゃうだろうね。いや、吃驚所じゃないかもしれない……なんて、考えてる余裕も実はそう無い。


「名前、気持ちいい…?」

『ばっ…ばか、…』


すっかり乱れた息遣いで呼吸をする私へ意地悪な言葉を浴びせてくるフェイに思わずそんな悪態をつけばクスリと笑ってから優しく抱きしめられた。布団の中に籠もる二人の吐息やら何やらでじんわりと汗ばんでいるフェイの肌。抱きしめられて嫌だなんて当然思わないけど、でも、こんな事になってしまった事に納得も未だしていないわけで。

私はフェイから与えられる刺激に朦朧とする意識をどうにか保とうと歯を食いしばっていた。だけどフェイのモノが私の敏感な処を掠める度に何度も意識が飛びそうになる。


「ね…イっていい、よ…っ」

『ひっ!?ちょっ、や、あぁ…あ』


それから、フェイはそう言って私を追い詰めるかのように激しく腰を打ち付け始める。さっきまで私がいないと死んじゃうとかって女の子みたいな事言ってたくせに、何それ。私は何だか腑に落ちなくてフェイの背中に軽く爪を立ててみた。こういう時だけそんな顔しちゃってさ……──────






















『───……ずるい』

「え?」


ぽつりと呟けば既にいつものオレンジの服を着ているフェイが振り向いた。ベッドで布団に包まる私が吐いた言葉がフェイに聞こえていたのかどうか曖昧ではあるが、首を傾げてベッドに腰掛けているフェイを見れば恐らく聞こえていないのだろうと思う。未だ理解出来ていない様子のフェイに私はため息をついた。


「どうかしたの?」

『別に…』

「……?」


ルーズリーフはお母さんが買ってきてくれる。寒い中家から出ずにすんだ事はラッキーかもしれないけど……フェイの表情や言葉ひとつで簡単に振りまわされちゃってるんだって思うとちょっと悔しい気持ちになる。なんてまぁ、今更な事なのかもしれないね。


「ねぇ名前」


でも、


『…っ』


ちゅ、と軽いリップ音と共に離れていく柔らかい唇の感触に顔を赤くすればフェイが幸せそうに微笑んだ。











でも、やっぱり、




ずるいよね。












二人でお留守番
(お母さん遅いね)
(え?じゃあもう1回いっとく?)
(ご遠慮します)





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やーおーいー()お粗末様でした!



(130109)



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