僕の好きなもの?突然の質問に顎に手を当てる。好きなものは数え切れない程あるけど……


「とりあえずサッカー、かな?」


そう言えば名前は何故かつまらなさそうな顔をした。僕は一拍置いてそんな名前の顔を覗き込んでみる。名前が僕に聞きたい事があるらしいってカイが言ってたけど……あ、もしかして今の質問が聞きたかった事だったのだろうか。もしそうだったとしたら不味い事をしちゃったのかもしれない。


『普通すぎる』

「あはは、やっぱり」


案の定玩具に飽きた子供のように僕からふいと視線を逸らしてしまった名前。それからベンチのすぐ近くにあった選手名簿表に目を通し始める。


『白竜の好きなものは究極な物だって』

「白竜らしいね」

『それからカイは……』


何でまたいきなりそんな事を、しかも何故チームの皆に聞いているのか、不思議ではあったけども口には出さないでおく。だって名前が楽しそうにしてるから。

それにしても白竜ってば流石な回答だよね。究極な物って何なのか気になるから後で聞きにいってみようか。なんて考えていると今までチームメイトの好きな物を羅列していた名前が急に僕を見上げた。


『…だからね、シュウにももっと意外な事を言って欲しかったんだ』

「意外な事?」


うん。とあどけさが残るような笑顔を浮かべる名前は僕に面白い事を期待してるんだと思うけど、残念ながら面白い事は言えない。でも、名前が意外性を求めるのならとっておきの答えがある。


「僕の好きなものは、」


僕は何やら沢山の書き込みがしてある選手名簿表を名前の手から取り、ある事を書き足した。


「はい」


それから名前に渡すと、名前は直ぐに顔を赤くしてわなわなと口を震わせた。


『シュウ…これ、』

「そういうこと」










そう、とっておきの。















こんな告白はいかが?
(僕の好きなものは)
(君だよ、名前)





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久々シュウ君。




(130104)



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