*性的描写あり







最近名前と誰かが僕をちらちら見ながら内緒話をする事が多い。女子群で会議みたいな事をしていたり、天馬や神童君と話している場面も目撃した。名前に限って悪口とかではないと思うんだけど……とにかく最近そんな事が多いと感じていたところで。


『今日私の家来ない?』


名前に家に誘われた時は流石に何かあるなと思った。







***







『飲み物用意してくるから適当に座ってて』

「あ、うん」


嫌な予感はしていたけど、その反面それが何なのか気になってしまったりもするわけで、結局僕は名前の家に来てしまった。


「それにしても部屋、綺麗だなぁ」


名前に言われた通り適当に腰を下ろして辺りを見回してみると率直な感想が漏れた。女の子の部屋なんて初めて入ったけど、皆こんな感じなのかな。そんな事を考えている間に名前が飲み物やらお菓子やらを乗せたトレイを持って部屋に戻ってきた。

折りたたみ式の小さいテーブルを出してその上に並べられるオレンジジュースの入ったグラスとクッキー。


「わ…美味しそう」


いい匂いのするクッキーに目を輝かせていると名前が笑った。それから『手作りなんだ』そう言って僕の向かいに腰を下ろす。なんていうか、こんな風におもてなしされる事ってあまり経験がなかったから少し照れくさい。


『いっぱい食べてね』

「ありがとう」


ひとくち、クッキーを放り込めばお砂糖の甘い味が口いっぱいに広がる。もしかして名前は僕にクッキーを食べさせようと家に呼んだのかな?そう思った時、僕を満足そうに眺めていた名前が急に僕の隣に移動した。


「どうかした…、っ!」


どうかしたのか。聞く前に名前が僕の肩にもたれ掛かって来たせいで僕は固まってしまった。僕たちはまだ手を繋いだ事しかない。故にこんなに近いとどうしていいのか分からなくなる。


『今日ね、お母さんもお父さんも出掛けてるんだ』

「え?あ…え!?」


さらにはこんな発言をされて、名前は僕にどうしろというのだろうか。冷静に考えてみれば親が留守中の彼女の部屋でふたりきり。相当危ないシチュエーションだと思うんだけど……いや、駄目だ。変な事考えちゃ駄目だ。

僕は口の中に残るクッキーの甘さを消すようにオレンジジュースを流し込んだ。それでも甘い気分は抜けないまま、名前と目が合っては逸らし目が合っては逸らしを繰り返す事数分。僕は思い切って名前の肩に手を乗せてみた。そうすれば名前は嬉しそうに微笑んでからまた僕の方を見るのだ。その瞬間、あ…やばいな。思わずそう思った。


「名前…あの、今日、本当にどうかしたの?」

『え?』


このままこうしていると色々抑えられなくなってしまいそうで、僕はわざと調子外れな雰囲気でそんな質問をしてみせれば名前はしばらく黙った後むぅと口を尖らせた。ムードがないとか言われるのかな?いや、それは僕も思ったけど、でもやっぱり雰囲気変えなきゃまずい事になっちゃうだろうから……って、え?


『フェイの馬鹿……』


口を尖らせるだけじゃなく今にも泣き出しそうな顔をしている名前に思わず肩に置いていた手を離した。


『何で分からないの、』

「え?あの、名前…」

『私はずっと待ってるのに…っ』


本当に泣き出してしまいそうだ。僕はどうにかして名前の機嫌を取るべく目の前に向き合うようにして座った。クッキーを差し出してみるけど名前はふるふると首を振る。

待ってるのに。それだけ言って黙り込んでしまうなんて僕も困るのに。何で分かってくれないんだ、ってそう言いたいのは僕だって同じなんだ。こんな状況で、そんな事を言われたら勘違いしても仕方ないだろう?だけどもしそれが僕の都合のいい解釈だったとして、名前に嫌われたりしたら………それが怖くて我慢してたのに。


『っ!』


名前の肩を掴んで勢いよく唇に食らいつく。もう知らない。名前が悪いんだ。名前がそんな事言うから。だいたい名前が家に呼んだんだ。僕は頭の中でそんな言い訳を並べながらも夢中になって名前の口内を貪った。


「…っ」

『はっ…ん、ぅ』


くちゅくちゅと舌を絡めるように動かして歯列をなぞる。こんなのはどこかで覚えてきた似非知識に過ぎないのだけど、順応するようにピクリと反応する名前に嬉しくなった。

それからしばらく名前と深いキスを交わした後唇を離せばお互いに熱い吐息が漏れた。名前は顔を真っ赤にして僕を見ている。突然の事に驚いたのだろうか。僕はそんな名前をベッドへと運んで組み敷いてみせた。


『フェ…イ………?』


僕を見上げる名前の顔はどうも今の状況を理解出来ていないといった顔。


『…あ…私はフェイとキスがしたかっただけで…い、いきなり、その…こんな、』

「名前」

『や…待って、んっ』


僕はシーツに散らばる名前の髪をかき上げて露わになった首筋に舌を這わせた。キスがしたかっただけ?そりゃあ僕だってずっとしたかった。だけど男の子はキスしたらそれ以上だって望んでしまうものなんだ。知ってる?僕だって男の子だからこんな状況に憧れていたし、夢で見たりもした。それが現実になった今で僕の下半身は興奮するばかり。名前に嫌われるのは嫌だけど今更ストップなんてかけられたってもう止められないよ。


「親もいない家に男の子を誘うってどういう事か分かってる?」


僕は舌が肌を這う感触に身を捩らせる名前の足の間に割り込んで硬くなっている其処を押し付けた。


「名前が誘ったんだよ」

『……っ』


それからゆっくりと名前の着ているシャツのボタンを外していく。名前は目を逸らして恥ずかしさを耐えているようだったがそんな姿を見てまた僕の其処は熱を孕んでしまい、今すぐにでも襲ってしまいそうになるのを抑えるのに大変だった。

なるべく優しく。これもまた浅はかな知識ではあるけれど、僕の目の前で露わになった胸を優しく愛撫していくと名前の目が切なげに細められた。


「本当に嫌だったら、言ってくれていいから」


そう言ってスカートの下へと手を伸ばす。名前は足を閉じようとするも僕の体が入り込んでいるため意のままには出来ずそれ以上の抵抗は見せなかった。その姿に僕は名前が本気で嫌がっているわけじゃないんだと確信する。それから名前の下着に手を伸ばすとそこは軽く触れただけでも分かる位に濡れていた。下着の上を数回なぞってからやがてはその下着を剥ぎ取って、てらてらとした液が溢れる秘部に指をねじ込めば内壁がきゅうきゅうと僕の指を締め付けてくるのを感じた。痛いのだろうか。籠もった声を上げながらも僕の指による愛撫を受け入れている名前の気を逸らすべく口付けを落とせばほんの一瞬だけその表情が和らいだ気がした。


「名前…力抜いててね」

『う、ん……、い…ッ』

「く……っ」


それから十分に慣らした其処へ自分のモノを挿入する。今まで感じた事のない感覚と一体感にぞくぞくと体中に興奮が駆け巡った。僕はどうにか根元まで押し込んだ後ゆっくりと律動を始めて快感を求めていく。表情を伺いながら名前の敏感な処を探していると一点過剰に反応する場所を見つけた。


「此処がいいの?」

『やあっ!?あ…駄目っ、ぁ』


其処を重点的に攻めれば体を大きく逸らせて嬌声を上げる名前。それから刺激に耐えるように僕の服の首に手を回して来る。そんな名前が愛おしくてキスをすればナカでモノを締め付けられて射精感におそわれた。


『ふぁ、ん…ああぁっ!』

「ん…──っ」


ぶるりと体を震わせながらお互いに絶頂を向かえる。名前は乱れた呼吸を整えるようにベッドへと体を沈めている。そのお腹には僕が吐き出した白濁が厭らしく主張していて何となく優越感だった。


「大丈夫?」


呼びかければまだ潤んでいる瞳をこちらに向けて嬉しそうに細める。ああ、そんな顔されたらまた襲ってしまいそうになる。僕はそんな衝動を堪えて名前のおでこに唇を当てた。

皆との何を話していたのか気になる所だけど、まぁ何となく分かったような気もしたから黙っておく。それより名前にはもっと自分の行動で僕が振り回されているって自覚を持ってほしいよね。うん、僕はもう我慢なんてしないから。












男の子ってそんなもんだよ。
(ね?)
(え…?)






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ロールキャベツ系フェイ君。長くなりました。





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