▼太明vs白明?勝者……

友達の黄名子ちゃんに誘われて新イナズマジャパンのマネージャーをする事になった。
そしてこの日から………


太「名前〜、タオル取ってよ」

白「名前、ドリンクよこせ」

太「ちょっと僕が先だよ!」

白「俺は究極に喉が渇いてるんだ、邪魔をするな」

『…………はぁ…』


ああ、始まってしまった。
休憩の時、太陽くんと白竜さんはまるで競うみたいに私の所に来て、自分が先とか後とか言って口論を始めてしまう。


『二人とも喧嘩は駄目だよ!はい。タオルとドリンク』


私は口論阻止する為に同時に言われた物を渡すと、太陽くんと白竜さんは一緒に渡された事が納得いかなかいといった様子で自分が要求した物を手に取った。

私はそんな二人に苦笑いを浮かべる。


黄「今日も名前はモテモテやね〜」

『き、黄名子ちゃん違うから!』

フ「名前は可愛いし、モテるのは仕方ないと思うよ?」

『もう、フェイくんまでからかわないでよ』


私は恥ずかしさから咄嗟に否定したが、黄名子ちゃんとフェイくんの言う通りだったりする。
初めて顔合わせした日から、太陽くんと白竜さんから何かと構われるようになったのだ。

自分で言うのもなんだけど………私、名字名前は只今モテ期真っ最中。
練習中は普通に接しているのに、なんで休憩や練習が終わったらこうなってしまうんだろう?


フ「練習再開までの辛抱だよ。それより名前、僕にもドリンク頂戴」

『あ、ごめんね。はい、フェイくん』


それからなんだかんだと時間が過ぎて、今日も無事練習終了。空のドリンクボトルを片付けていたら、葵ちゃんに話しかけられた。


『明日のドリンクの粉、これだけしかないの?』

葵「うん。悪いんだけど買い出し頼んでいいかな?残りの仕事は私と先輩達で片付けとくから」

『分かった』

葵「あと、他にも買ってきて欲しい物があるんだけど」

『分かった。行ってくるね』


葵ちゃんに必要な物を書いた紙を渡され、すぐ買い出しに出掛ける事にした。
すると。


太「名前、何処行くの?」

『あ、太陽くん。これから買い出しに行くの』

太「じゃあ僕もついて行こうかな?荷物持ちに」


それはとても助かる。
買う物が結構あるから、男手があるのはとっても助かる。


『じゃあお願い………』

白「行くぞ名前」

『へ?』


いきなり肩を抱かれ、振り返るとそこには白竜さん。ギギィ……と視線を正面に向けると、目の前には不機嫌な顔をした太陽くん。

これは……良くないですね。


太「横から割って入らないでよ!!」

白「お前のようなひ弱に荷物持ちなど出来るか!」

太「もうひ弱じゃないよ!」


ああ、やっぱり始まってしまった。段々と激化していく言い争いを止めようと、二人の間に割って入る。


『あの、3人で行けばいいんでは?』


それが一番の方法だよね?
でも。


太・白「「嫌だ!!」」

『えぇ〜……』


却下されてしまいました。

どうしょう。
買い出し、夕食用の調味料とか材料も含まれてるから、早く行きたいのに。


黄「うわっ、またやってるやんね」

『あ、黄名子ちゃん』

黄「名前を困らせるなんてしょうがない人達やねぇ」

『あはは……。あ、黄名子ちゃん今時間空いてるかな?買い出しに付き合って欲しいんだけど』

黄「ええよ〜」


黄名子ちゃんがすぐに了承してくれ、ホッと胸を撫で下ろす。
男手がないのは心許ないけど、一人で行くよりはマシだ。


太・白「「あっ、名前?!」」

『買い出し、夕食の材料も含まれてるの!二人ともごめんね』


私は悪いと思いつつも、黄名子ちゃんと買い出しに出掛ける事にした。


黄「ぷっ、フられたやんね」

太・白「「な゛っ!?」」

黄「あんたらの気持ちは否定せんけど、少しは相手の事も考えるんやね」

『黄名子ちゃん?どうかしたの?』

黄「なんでもないやんね」


太陽くんと白竜さんが黄名子ちゃんとそんな会話をしていたとは露知らず、私は黄名子ちゃんと一緒に買い出しに出掛けた。








買い出しを終え、宿舎に戻って来たら、太陽くんと白竜さんの口論現場が目に飛び込んできた。
今度は何を揉めているんだろう?


太「僕の方が似合ってるよ!!」

白「俺が相応しいに決まっている!!」


この二人、口論以外にする事ないのだろうか。こうも頻繁に喧嘩を見ると止める気が失せてくる。
そして笑いがこみ上げてくる。

………苦笑いだけど。


太「こうなったら名前にどっちが相応しいか決めてもらおうよ」

白「望むところだ」

『何を?ていうかなんで私?』


いつも私は何故か二人の騒動に巻き込まれてしまう。
決めてもらおうって何を決めなきゃいけないか全く分からず、様子を見ていたら。


太・白「「ミキシトランス!!孔明!!」」

『何っ?!眩しっ』

黄「この二人、また馬鹿始めたやんね」


いきなり叫んだと思ったら二人の体が光だし、光が消えたと思ったら、現れた二人はと言うと。


『太陽くんと白竜さんの髪の色が変わったぁっ?!』


髪の色が太陽くんは紫、白竜さんは薄紫に染まっていて、雰囲気がまるで別人のようになっていた。

唖然。

でもこの姿の二人の雰囲気、何だか似てる?


黄「そういえば名前は見るの初めてやんね。あれはミキシマックスって言うんよ」

『みきしまっくす?』

黄「そそ。他に神童先輩や霧野先輩とかも出来るやんね」


対象者のオーラを別の人に与える事らしい。
受けた方は対象者の力が使えるようになり、見た目も対象者に近くなるらしい。

便利だなぁ。


黄「あの二人は諸葛孔明とミキシマックスしてるやんね」

『なんで太陽くんと白竜さんは同じ人とミキシマックスしてるの?口論するからいなら別々にしたら良かったのに』

黄「それは別バージョン仕様やんね」

『別?よく分からないけど、ミキシマックスってなんだかドーピ……』


ガシッ!!


黄「それ以上、言っちゃ駄目やんね」


黄名子ちゃんにそう言われ、私は何度も頷き、素直に黙った。
だって黄名子ちゃん、笑顔なのに目が笑ってなかった。
それに後ろに何かいた。


太「名前っ!僕のミキシマックスの方がいいよね!?」

白「俺の方が良いに決まっているだろう」

『ほえっ?!』


決めるってこういう事!?

いつもと違う二人に迫られ、なんだか怖い。
それにどっちが相応しいか言われても………


『そ……』

太・白「「そ?」」

『それぞれに魅力があると思います─っ!!』


私はどっち付かずな返答をしながら黄名子ちゃんが持っていた買い物袋をぶんどると、その場から逃げ出した。
だって早く買い出しの物を持って行かなきゃいけないし、どっちがいいなんて言ったらもっと口論を始めるだろうし。

………あ、黄名子ちゃんに置いて来ちゃった。
置いて来てしまった黄名子ちゃんに心の中で謝罪し、あとできな粉餅を作って持っていこうと思いながら荷物を置きに行こうとしたら。


フ「うわっ、凄い荷物だね」

『あ、フェイくん』


フェイくんが立っていた。
私が持つ荷物を見た途端、フェイくんは黙って私から荷物を奪う。


『あの……フェイくん?』

フ「重いでしょ?運ぶの手伝うよ」

『本当?ありがとう!』


荷物、結構重いから持って貰えるのは凄く助かる。

半分でいいって言ったけど、大丈夫と言って結局殆どの荷物をフェイくんが持ってくれた。
フェイくんの優しさに心が暖かくなるのを感じながら、一緒に荷物を置きに向かった。











end


オマケ↓



黄「あらら、フェイが良いとこ取りしたやんね」

太「フェイずるい」

白「全くだ」

黄「あ〜ハイハイ。それより、あんたら」

太「何?」

白「なんだ?」

黄「相手の事も考えろって話、全然聞いてなかったみたいやね〜?」

太・白「「!?」」

黄「名前はウチの大事な友達。困らせるのは許さないやんね。だ〜か〜ら〜〜……






お・し・お・き、やんね♪」




太・白「「ギャアアアァァァァーーーっ!!!」」









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『♪Starry Light♪』のニュケ様に頂いた『道化師の夢』1周年お祝い文。黒い黄名子ちゃんかわええええっ//さすがニュケ様、全員私の大好きなメンバーですよ全員!そしていつも暖かいコメントありがとうございます。大好きです(//´ω`)




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