「名前」


ドアが開いて、ベッドに腰かけていた彼女がこちらを向く。


一歩、また一歩と近づけば彼女の顔が恐怖一色に染まる。




「いい子にしてた?」


隣に腰かけ、頭をゆっくりと撫でる。
僕の問いにこくりと頷くだけなのはちょっと許せないかな。




そんな悪い子にはお仕置きしなくちゃ、だよね。



彼女の肩に両手を置きそのまま押し倒す。抵抗はしない。そういう風に強調したからなんだけど。



僕はズボンのポケットから先をより鋭くした小型のカッターを取り出した。
本当はこんなもの使わなくてもいいんだけどそれじゃあつまらない。


カッターを彼女の服に当て、切っていく。



「っや、やだ…サリュー、や…」

「駄目だよ、これはお仕置きなんだから。ああでも名前はMだから内心は喜んでるんじゃない?」


目に涙を溜めて首を横に振る。
いい加減、素直になればいいのに。僕なしでは生きていけないくらいに僕に溺れればいいのに。



服を切り終わり、カッターを床に投げ捨てる。
片手を彼女の口元に持っていき数回なぞる。そしてそのまま人差し指と中指を彼女の口の中に入れる。



「んっ、んぅ…」

空いたもう片方の手は太ももを撫でまわす。


「ほら、ちゃんと舐めてよ。そうしないと後で辛いのは名前だよ?」




そう言うと指の腹に舌を這わせ、舐め始める。
僕は太ももを撫でるのを止め、足の付け根から太ももまでをすーっとなぞる。




それを繰り返していく内に彼女は足をすり合わせ、腰を動かし始める。



「なに、きもちいいの?」


口から指を抜くと彼女の舌と僕の指を銀色の糸が繋ぐ。それはぷつんと途切れ、僕は唾液でベトベトになった指を舐める。



「や、そんなこと、しないで…」




「僕に指図するの?名前は僕のものだ、そんな権利はないよ」



そう言って彼女首筋に顔を近づけ、噛んでいく。



「いっ、た…っ、」


数回噛んだ後、顔を離すと首筋には大量の噛跡。
僕がつけた、君の首輪。
それが嬉しくて少し口角を上げる。




ふと見れば、彼女はまた足をすり合わせていた。



「ねぇ名前はきもちよくなりたいだろ?名前は我慢ができない子だからね。最初は嫌だ嫌だと言ってるくせに最終的にはいつも僕を求めてくる」




唇を軽く重ねて、僕は続ける。



「名前が僕のために生きて、僕だけのために泣いて、笑って、僕を想って狂ってくれるなら、あげてもいいよ?」




もう我慢なんかできないだろう?と問いかけ、太ももに手を這わせれば彼女の肩はびくりとと震える。




堕ちて、堕ちろ。
狂って狂って僕だけを愛して。僕を君で満たして。僕も満たしてあげるから。



望むならどろどろになるまで愛してあげる。いじめてあげる。壊してあげる。





だから、ね?





早く此処まで堕ちておいで。












征服者の爪











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碧ちゃんより相互記念頂きましたー!うはあああ//碧ちゃんの書くSARU君格好良すぎて辛い……っ!ありがとうございました(*´∇`)



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