どさり、容赦無くのしかかる人一人分の重さ。
続くのはわざとやってるのだろう耳にかかる熱い溜め息。
身体に絡まる両腕、布越しに感じる熱、香る匂い。

ドキリとする。
ドクンと心臓が波打つ。

だけど流されるな、流されるな、ここは…


「学校…っ!」

そうだ学校だ。しかも教室だ。
クラスメイト達がいる中でこの才色兼備、文武両道、島の名家のお坊ちゃまは何をしているんだ!さぁ答えろ、今すぐ答えろ!


「………。」

「無視ですか!」

答えの変わりになのか何なのか、スガタは腕の力をより一層強めるだけだ。
訳がわからないどういうことだ。
僕はスガタの抱き枕になった覚えはないぞ。


「タクト君、タクト君。」

と、近づいて来たのはワコだ。
というかワコさん?なんでそんなに頬を赤らめているのかな。何で携帯を片手に持っているのかな。
どうして嬉しそうに告げるのかな。

「スガタ君ね今イライラしてるみたいで…。タクト君を抱きしめてると落ち着くみたいだから…ね?」

何が、ね?なんだろう。
満面の笑み。鳴るシャッター音。クラス一同の視線。

あぁ、うん。


所集中型避雷針


だいたい僕の立ち位置がわかってきたよ…





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