君を例えるなら、そうだな、
君は風。
吹き抜ける風。いつでも颯爽と流れる風。
君は鳥。
何処までも自由で、何処までも無垢な鳥。
君は星。
希望を実現してくれるような強さを持った流れ星。
どれも僕には手が届かなくて、捕まえられやしなくて、眩しすぎて、
だから嘘の様なんだ、そんな君が僕の隣にいるなんて、
僕のことを抱き留めてくれるなんて、
「今日はどうした?甘えん坊のスガタ坊ちゃま」
茶化すように笑いながら、背中を摩る掌はあたたかくて、優しい。
タクトの温度、タクトの匂い、タクトの声、タクトの存在、
どれもが僕を安心させてくれる。
どれもが僕を受け入れてくれる。
「少し、疲れただけだよ…」
島に縛られた僕を彼なら連れ出してくれるかもしれない。
縛られたと思う僕を彼なら変えてくれるかもしれない。
少なくとも、僕はそんな期待を持てるようになった。
「そっか、なら、休んで一緒に再出発だ」
日だまりのような笑顔に、僕は恋することができるようになれた。
この場所、
僕の居場所、守りたいと感じる世界