「スガター」

どこからともなく声がする。

「スーガタ、」

僕を呼ぶ声、ベッドの方からだ。
ごろんと横になって、背中をこちらにむけて、また僕を呼ぶ。


「スーガーター」

「なに?」

「スガター…」

猫が鳴くように、ただ僕の名前を呼ぶだけ。
あぁ、困ったな。
僕は椅子から立ち上がる。
ベッドへ行く短い間も赤い毛の猫は僕の名前を鳴く。
ベッドについて、近付いて、ゆっくりと抱き起こして、

「構って欲しいなら言えば良いのに。」


ねこのなきごえ



泣くほど寂しくなるまえに




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