ァミレス待機



三年が進路のなんたらとかの集会?説明会?があるらしく、今日は1、2年は普段より早く終わった。
そんな私たちはいつものメンバーの3年抜きでファミレスに来ていた。


「大人数で居座るのも結構な迷惑よね…」
「いいんじゃない?食べ盛りの男子がちょくちょく注文するし」


明日香は心配そうにしていたが、男子たちが「腹が減った」と先ほどから注文をよくしているので心配ないと思う。
そこまでうるさくはしてないし。夕方手前だから周りの客もそう多くない。
まだ平気だろう、と。


「祐菜さんも、なにか食べますか」

目の前に座っている遊星くんが私に問う。何か食べるのであろう遊星くんは私にも気を利かせたようだ。

「明日香は?」
「ドリンクバーだけでいいわ。何かあったら十代のつまむし」
「そ?」

あの十代が食べ残す訳ないだろうけど、明日香が食べたいと言えば十代はいいぜ!なんていって少し差し出すだろう。

「鬼柳は?」
「俺はピリ辛唐揚げとポテト大盛」
「ポテトは俺と割り勘します」
「んー、じゃ、私はミニグラタン」
「わかりました」

遊星くんの隣に座っている鬼柳は仲良く遊星くんとポテトを食べるらしい。
年下組は仲いいよなあ、と思う。あ、鬼柳は私たちと同い年だった。


「ポテト大盛、水菜のサラダ、アップルパイと…」

丁寧に注文する遊星くん。いい子だな。
隣の鬼柳はまだメニューみてるけど。お前もう少し遊星くん見習えよ。年上の俺がやっておくぜ、くらい言えよ。


「なあなあ祐菜!このチキンうまそうじゃね?」
「はあ?アンタこんな時間に晩御飯食う気?アホじゃないの」
「あー、確かに」

横から襲撃してきたのはヨハン。今日も校内で迷子になってたのを引っ張ってきた。

「ヨハンさん、チキンならピリ辛唐揚げがあります」
「お、遊星気が利くな!」
「もう注文してしまったので、後少し待ってもらうようになるんですが」
「全然いいぜ!じゃ、頼んどいてくれ」

お前もか。少しは自分で頼もうとしないのか!
年上組に呆れながら、嫌な顔一つせずに了承する遊星くんに涙が出そうになった。


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最初書こうと思ったのとは別物に。
遊星って敬語…使わないよな?と思った。
初出:12.12.05.