あんさんぶるスターズ | ナノ

廻の煌めきはつかめない

※無理矢理、強姦気味


仕事が早めに終った日。自宅へ帰る前に明日の学校でのプロデュース用の買い物をしてしまおうと思っていた矢先。目の前に立ち尽くしたのはCrazy:Bの天城燐音だった。

「俺っちたちをプロデュースしてくれよ」

前々からこういって口説かれているのだが、あまり乗り気がせずに頷くことはしていない。問題行動を起こしていたユニットを夢ノ咲でのユニットも抱えた状態で見れるわけがない。手に終えないので私は請け負わないと毎回いっているのに、懲りずにこうやってくるのだ。
私だけでなくあんずにもいっている様子はあれど、あちらも頑なとして頷かないらしい。

「おね〜さんは相手にしてくれないしよォ」
「あの子は忙しいから」
「えっ 別に双葉おね〜さんが忙しくないとは言ってないっしょ?」
「そう解釈もしてません!」

私だって忙しいっつってるでしょうが。仮にも年上であるのでそんな言葉は口にしないけれど、似たようなことは毎回言っている。
しつこい男は嫌われますよ、と言ったことはある。笑って誤魔化されて終ったことを思い出した。その軽い口ぶりが、頷きたくない理由のひとつなんだよ。軽薄な態度が気にくわない。胸のうちは全然違うくせに。

「プロデューサーのおね〜さんに劣等感があるんだろ?」
「っ、」
「お、アッタリ〜」

ほら、こうやって。他人のことをよく見ていて、それでいてしっかりと核心をついてくる。軽く言っているが、彼のなかでは絶対の自信があったはず。
付き合いのある夢ノ咲の人たちは身内に弱いのか、なかなか私の内面の核心をつくことは言わないし、恐らく別の印象に持っていかれて気付かないのだ。外部から慎重に見たらすぐにわかるのに、この男の言ったことが真実であると。


「なァ、なら余計俺っちに…Crazy:Bに賭けてみねェ?」


動けなくなった私の耳元で悪魔のように囁く。かかった吐息にびくりと肩を揺らして、逃げようと身体を捻らせるがもう遅い。耳元で囁かれた時点で彼は私のすぐそばにいて、私を簡単に捕らえられる場所にいたのだ。
掴まれた腕と力強い腕が回った腰、頭上から私をなめるように見る瞳に補食されると本能が告げていた。





「も、やだあ…気持ちいいから、ァ、…終りに、して……終らせてよぉ…!」
「ははっ 気持ちよくしてやるとは言ったけど、気持ちよくなったら終らせるなんて言ってねーっしょ」


連れ込まれた何処かのアパートの一室。ベッドに放られ服を脱がされ身体中をまさぐられていた。舐められ、時に噛みつかれ、自分がプロデューサーからただの女へと変貌していく。目の前のこの男によって。

下品にも私の股はこの男の指で濡れているし、骨張った長い指が出し入れされる度に痛みから快感へと塗り替えられていく。ぐちゅぐちゅとわざと音を立てるようにして動かしているこの男を睨んだところでどうしようもない。彼は痛くも痒くもないのだ。一方、私はそんな態度をとればどんどんと快楽を覚えさせられていく。
はじめて触れられるはずなのに、全てを知り尽くしたかのような手つき。痛くはしない、気持ちよくしてやるから安心しろ、なんてはじめに言われたことが本当になるなんて思ってもみなかった。

「俺っちの指はそんなに気持ちいいかよ」

胸に這う指先。興奮で固くなっている先端に触れれば下を触られているのとはまた違った快感が襲ってくる。彼の問いかけに答える気はないけれど、まるで答えるかのように喘ぎ声が喉の奥から出ていく。もう嫌なのに、こんなふうにされたら溺れちゃうのに。
上半身を私の方へと倒し、胸にしゃぶりつかれる。柔肌に歯を立てられればそれも快感になる。さっきもさんざん柔らかいところを噛んでいたのに、まだ噛むつもりなのかこの男。

「余裕こいてんと痛い目見んぞ?」
「っひぁ!」

ゾクゾクと噛まれる快感に耐えていると、下で動いていた指が外の秘豆に触れた。暴力的なまでの快感が下半身を駆け巡る。やだやだといいながら身体を捻らせるが無意味でしかない。そのまま中と外を刺激され、呆気ないほどに快楽で身体を震わせた。

「あ〜あ、かァわいいねェ……もっと可愛くしてやんよ」

ふぅ、ふぅ、と忘れかけた呼吸をして意識を取り戻しているわたしにはお構い無く、彼は私の両足を開いて間に滑り込む。金属音と衣擦れの音がし、熱くて硬いものが中心に宛がわれた。
気付いた時にはもう遅い。そのままゆっくりと侵入してくる異物に、事態を急激に自覚した。叫ぶことも忘れ、感じる痛みに耐えるだけ。喉の奥で絞り出た声にならないものが口からこぼれ落ちる。
いつの間にか異物感と痛みが薄れていき、出し入れされる度に先ほど感じていた気持ちよさがぶり返してくる。なかが熱い。擦れる度に気持ちよさが膨れ上がっていく。打ち付けられる腰に揺さぶられながら、しっかりと出るようになった女の声が耳についた。


「ここ好きか?気持ちいいよなァ」
「あっ あぅ、ん…ンっ はぁ、ああ、」

がっつりと腰を掴まれ、逃げ場はない。浅いところをぐりぐりと押される。たぶんそこが私のきもちいいところ、だ。理解した上でこの男は快楽という名の暴力をわたしに振るう。

「いっ、…た、ぁ」
「んん〜 奥は痛むかね… ンならやっぱ手前で気持ちよくなっとくか」
「ひゃん!っそ、こぉ…きもち、ァ、いい…っ」

深く深く挿入した先には、痛みしかなかった。挿入したてのときとは違った痛み。内蔵が傷つけられるような、抉られるような痛みが襲った。私の声と強張る身体で理解をしたらしいのか、彼はすぐに腰を引く。
ゆっくりと侵入してくるものが、今度は奥にまでいかずにさっきまで気持ちよくしていた部分に触れる。気持ちいいと思わず口走ってしまったために、彼はニヤリといたずらな笑みを浮かべて私を見下ろした。

「ッは、ほんと…かわいいじゃん」


ゆるゆると動き出す腰。再び揺さぶられることを理解した私は、自分の腰を掴んでいる彼の腕を思わず掴んだ。拒否と、恐怖とがないまぜになった感情で彼を見る。舌舐りをした口許に、言い表せない快感が脳髄を駆け巡った。

「なァ、双葉ちゃん、」

燃えるような色の髪が視界のなかで揺れる。熱い手のひらが皮膚を越えて神経にまで直接刺激するような感覚。ハスキーな声が耳を甘美に蕩けさせ、思考を奪われてしまう。

「俺っちたちのプロデュース、頷いてくれるよな?」

意識を白く塗り潰されながら、頑なに頭を左右に振った。プロデュースはしない、けれど終らせたい。この暴力的なまでの快楽が私の全てを埋め尽くす前に。
唇を噛み締めて意識を少しだけ取り戻す。快感が襲う身体の、一部だけでも残さなくては。私が私を保てる部分を少しでも。


「チッ 意外と頑固だなァ、双葉おね〜さん」
「、っああ、あ…はぁ、ああぁ、…っふ、」

気持ちいいところを器用に突きながら、腰の動きが早くなる。揺さぶられながら口から漏れる嬌声は少しずつ大きくなっていく。

「まァいいか。俺っちはその分、楽しめるからな」

いつ終るのか分からないこの仕打ちに、いっそ舌を噛み千切りたい衝動に駆られる。そんな考えを見抜かれたのか、顔を無理矢理固定されて舌を突っ込まれた。絡み合う熱い熱い吐息と舌に、このまま二人分の舌を噛み千切る勇気があればいいのにと自分の弱さを自覚しながら目を閉じた。
ああ、くらい。暗い。目の前の男の触れる先から、自分が自分でなくなるような、ぐちゃぐちゃに掻き乱されていきながら。

2020.05.10.
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