亮と二人でテラスの一席に座り昼食を取る。私は中身がサラダだったドローパンといちごミルクを飲み、亮は今日も大好きな具なしパンを見事当てもぐもぐと口を動かいしていた。
 吹雪はまた女の子に呼び出されたと嬉しそうにスキップしながらご飯も食べずに何処かへ行ってしまった。まぁ打倒に考えるなら校舎裏かそこら辺の告白スポットへ向かったのだろう。

「…………」
「……? どうしたの亮?」
「…………」

 ストローを唇で挟みいちごミルクを飲んでいると亮が此方を凝視している事に気付く。……? 声を掛けても亮は何も反応してくれない。

「亮?」
「なまえ」
「なに?」
「それを」

 亮が小さく呟き私の飲んでいるいちごミルクのパックに人差し指を向ける。いちごミルク? これが一体どうしたのだろうか。亮の言葉に首を傾げた。

「いや、少し……くれないか」
「……亮っていちごミルク飲めたっけ?」
「飲めないわけではない」

 飲みたい、と言う亮の言葉に喉でも乾いたのだろうと考えパックを渡す。渡す時に互いの指が少し掠め合った。

「……甘いな」
「いちごミルクだもん」

 いちごミルクを飲みストローから口を離した亮の言葉にそりゃそうだ、と肩を竦める。けれど亮が嫌な顔をしていないのを見る限りやはり飲めないわけではないようだ。
 返されたパックを受け取りストローに口を付ける。そのまま中身を喉に通していると亮が嬉しそうに私に微笑んだ。

「なぁなまえ」
「んー?」
「これで俺はなまえと間接キスが出来たんだな」
「ブッ!?」

 口に含んでいたいちごミルクが吹き出されそうになった。慌てて手で口を塞ぐ。少し零れてしまったが気にしない。それよりも亮は今何と言った? 間接、キス……? 間チューの事ですよね、それ。
 思わず目を見開き亮を見返す。亮は何事も無かったかのようにドローパンを食べていた。

「……亮」
「どうした?」
「それ誰の入れ知恵?」

 私の質問に答えた亮の言葉に呆れからか怒りからか深い溜め息が出た。吹雪、後でぶん投げてやる。


――――――――
Y&Nのはるなさまから頂きました!
ぐひひ…まるで偽物なうちの亮さんとは違って本物の天然亮さんで涎が止まりません。
ありがとうございましたー!変なやつですがどうぞよろしくお願いします!
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