※DA卒業数年後
※無駄に長い。



「え!休み取れたの?!」
『ああ、二日だけだが』
「本当に本当ね?」
『本当に本当だ』
「じゃあ……会いたい」


久々に休日が取れたという恋人からの電話に舞い上がっていた。
休みじゃなくても会えることには会えるのだが、何分相手はプロデュエリスト・万丈目準。疲れもたまっているだろうし次の日の仕事もあるから、電話やメールで誤魔化し誤魔化し。成るべくは負担をかけないようにと会うことを遠慮をしていた。

だが、今回は二日間の休日。二人でゆっくりもしたいけれど、二日あると言うならお泊まりしていつも以上に一緒にいたい。何処かへ出かけられなくても一緒にいるだけでいい。
思い切って「会いたい」と言ってみれば、あっけのない程簡単に「当たり前だ」と返ってきた。恋人も同じことを思ってくれていたことに、電話を切ってから涙がこぼれたのは内緒の話。






「ふああ…ここがいわゆるプライベートビーチですか!」


結局、休みの二日間は万丈目家にお世話になることになった。
というより万丈目家の持ってるホテルとビーチに訪れたと言った方がいい。万丈目も実家で休むというよりもなまえとともに遊びと泊りに来たという感じだからだ。

万丈目は前日の夜によく休めたらしく、二人はホテルに荷物を置いて早々に着替えて人のいないビーチへと降り立つ。
互いに水着を着ているのだが、上にはパーカーを着て露出を最低限にしている。
なまえははしゃいで押し寄せる波へ向かって駆け出した。腰には新調した水着のリボンがゆらゆら揺れながら存在を主張している。「つめたーい」と波にきゃっきゃと騒ぐ姿に、万丈目がふっと息を吐いたことは誰も知らない。


「おい、あまりはしゃぐなよ」
「ええー はしゃごうよ」
「海なんぞ、アカデミアで嫌というほど見てるだろう」
「それとこれとは別物だもん」

近づいていった万丈目はなまえに海水をかけられる。ぱしゃりとかかった海水は冷たく、パーカーから露出している肌を濡らした。

「お、おい」
「泳ぐために来たんでしょ?違うの?」
「違わなくはないが…」
「じゃあいいじゃん、ね!」

ぱしゃぱしゃと沖へ向かって進む。いや、進むのはいいのだがとりあえず着てるパーカーを脱いでからにしろ、と口にする。それに従い、沖へ向かっていた足を万丈目の方へと方向転換して近づいてくる。
万丈目の目の前でパーカーを脱ぎ、はい、とそれを渡すなまえ。仕方ないとそれを受け取ろうとした万丈目が目にしたのは目の前にいる水着姿のなまえ。そこそこに豊満な肉つきの胸が妙に主張されているデザインに自然と目が行ってしまう。

「準?」

なかなか受け取らない万丈目になまえは首をかしげて伺う。それがますます彼の視線を虜にするとはつゆ知らず。水着姿と言うだけで嬉しいほどにふるえてしまうというのに、先ほどから冷静を装っていた万丈目もこれには我慢が出来なかった。
パーカーを差し出されていたなまえの腕を取ると、海水から脚を出して砂浜をずんずんと進んでいく。


「え、ちょ、準?」
「ええ、いいからついて来い!」

何処へ行くのか、どうしたのかわからないなまえは連れて行かれるままに足を動かす。掴まれている腕が少し痛いが我慢出来る程度だ。
やがて岩場のある場所へと出る。歩く速さも段々とスピードが落ち、やがて足を止める。掴んでいた手を離し振り返ってなまえを勢いのまま抱きしめた。

「ど、どうした、の」
「お前がそんななのが悪い」
「悪いって、なに……ッ、なに、勃ってる、の?」

強く抱きしめた衝撃で、先ほどから主張し始めていた万丈目自身がなまえの大腿部へと当たっていた。それに気が付いたなまえは急に抱きしめられて反抗しようと上げた顔を真っ赤にする。腰と背中にまわされた腕によって簡単に逃げ出すことはできない。
恋人の目を直視できずに視線を泳がせるが、それは万丈目によって遮られてしまった。頬に伸びた大きな手、近付く顔から逸らせない。

「んっ」

合わせた唇は意外と優しくて、唇で唇を食むようなものだった。優しく食んでいた唇は静かに離れていく。離れはしたものの、互いの息遣いが肌で分かる距離に、それはある。

「…ここで、シろ」
「や、でも外だよ」
「いい。誰も来やしない」
「そういうもんじゃ、」
「う、うるさい!いいからっ」

目の前にいる万丈目の顔は珍しく真っ赤で、この状況に一応焦ってはいるらしい。いきなり押しつけられたなまえだって負けないくらいに焦っているが、彼も負けずに焦っている。早く言いくるめるような口調はまさにそれを現わしていた。
プライベートビーチというからには自分たちしかいないのだろうだろう、と思い、観念したなまえは万丈目へ了解の言葉を小さく呟く。

ちょうど岩陰になっているところへ連れてきたのだろう、しゃがみ込んでしまえば周りから簡単には見つからない。
万丈目の足元へとしゃがみ込み、そっと目の前の海水パンツから主張をしているモノをみる。


「…ほんっとに、たってるんだ」
「っし、かたない、だろう」
「まあ、会うのも久しぶりだったしね」

万丈目のプロとしての仕事を考慮しなかなか会えずにいた。電話やメールをしていたとしても、会うのと会わないのとでは全然違う。こうして触れ合うことすらできずにいた。
だからこそだろうか、露出の多い水着というだけでも反応してしまったのは。滅多に公共での場で欲を表に出さない万丈目が、プライベートビーチだとはいえ外でこうやってなまえを求めるまでに昂っていたのだ。


そっと海水パンツをおろし、主張した万丈目自身を取り出す。
優しく、強く刺激しすぎぬように手で扱いていく。あまり手でばかり構っていると「早くしろ」とうるさくなるのは分かっているので、言われる前に舌を這わせた。
上目遣いで舌を出して舐めるなまえに、じっと見ていた万丈目は鼓動が速くなるのを感じる。久々の触れ合いで、しかも上目遣いで自身を舐めて貰えるとは夢にも思っていなかった。

自身を咥えているなまえの胸をそっと撫で上げる。静かに、静かにその水着をずらし、溢れそうなほどの胸が水着からこぼれおちた。


「む、胸、!」
「いいだろう」
「よくないよー」

ずれてしまった水着を直そうとするが、万丈目により腕を掴まれて上手く直せない。

「いいから、俺に構え」

命令口調になりながらも拗ねたような顔で頼まれれば断れはしない。なかなかに素直じゃない万丈目がこんなにも素直に“構え”と頼んできたのなら、このまま構ってやろうじゃないか。
水着を直すことを断念し、再び万丈目に向かいあう。舌で舐めあげながら、咥えて唾液で包み込みながら恋人を刺激していく。



「、っあ、待って」
「待てない」
「あ、ああっ」

急に中断された行為。腕を持ち上げ立たされ、後ろを向かされる。目の前には岩、後ろには万丈目、という体勢になまえは声を上げるが、抵抗などする暇もなく万丈目自身を宛がわれる。
指で慣らしていない、と言おうとして口を噤む。分かっていたのだ、万丈目を咥えている最中に既に感じて湿っていることを。気付きたくなかったがなまえもわかっていた。万丈目も同じくそれを知っていたからこそ欲を抑えずに挿入を試みた。

「っあ、ぅ…!」
「う、ちょっとキツイ、か」

濡れていたとはいえ、指でならさずの久々の行為になまえの中はすんなりと受け入れてはくれなかった。多少の抵抗をされるも万丈目はゆるゆると腰を動かし、ゆっくりと自身を挿入していく。

「ん…っふ、う、」

久々の挿入に痛みを感じる。しかし声を上げるわけにもいかず、なまえは目の前の岩に爪を立てて堪えていた。
もうすぐ、もうすぐ全部入るはずだから。


「、はあ…、全部、はいったぞ、なまえ」
「うん、よか、った」

ずっしりとした質量を感じる。本当に久々の行為に、互いをとてつもなく感じている。
なまえの腰に腕をまわし、背に腹をつけて耳元で息を吐く。その吐息に身体を震わせ腰に絡んでいる腕にしがみついた。

「じゅ、んっ」
「ああ、なんだ」
「耳元で、喋んないっで」
「ん、ああ…その顔が見たかったんだ」

とろんと目じりを下げ、潤んだ瞳での訴え。悪戯が成功したように微笑んだ万丈目はかぶりつくように唇を奪いなまえを抱く力を強める。

「は、っん、」
「っ、ふあ…あ」


舌を絡ませながらゆっくりとした動作で腰を揺らす。振動に揺れる胸を手で包みながら、熱くなる息を互いに与えながら、下から聞こえてくる粘着音と分け合う熱が頭を支配していく。
唇を離し、互いを繋ぐ糸がぷつりと切れた。それを惜しむように万丈目はなまえの唇を再び音を立てて吸う。

腰にあった手はなまえの太腿へと移動し、いやらしく撫でている。内股の、恥部近くへと手を這わせるたびに身体を揺らすなまえに万丈目の口端は自然と上がっていた。
ゆっくりとなった腰の動きに息を吐いたなまえは、突然持ち上げられた右足に驚きを隠せなかった。後ろにいる万丈目を見れば悪い顔でなまえを見ている。先ほどよりも深くなった挿入に、口で訴えるよりも顔をしかめる方が先だった。


「あ、だめ、っこれやだ」
「深く挿されるのは、嫌いじゃない、だろう?」
「準がすきな、だけでしょお!」
「そう、ともいうッ」

打ち付ける腰に深く突き刺さる。ぐちゅぐちゅと音を立て始めたそこは、先ほどの様な痛みは既に感じない。出し入れさせる度に襲う快感に万丈目は顔をしかめ始めていた。段々と早くなる腰の動きになまえは嬌声を上げているだけ。
まずい、と思ったが、なまえの中の刺激に耐えられず、万丈目はそのまま中に自身を埋めたまま欲を放った。

「うッ、なまえ…く、っん、あ」
「あ、っあつ、い、」

数回打ち付けて中でびくびくと吐き出し終わる。大きく息を吐いて挿入しているモノを抜こうと、持ち上げていたなまえの足を下ろそうとした。が、それもなまえの腕が止める。

「…わたし、っまだ、イってない」
「……イきたいか?」
「あ、当たり前!」

こんなにうずうずさせたまま、自分の欲を放って終わりにしてたまるかと万丈目の腕を掴んでいる。未だ身体の熱は収まる気配がない。責任を取って彼に付き合ってもらうつもりだ。

「ふっ…では、可愛くおねだりすることだな」
「おねっ!? ちょっと、私、被害者なんだけど」
「…うるさいぞ、ほら、欲しいんだろ?」

一度欲を吐き出したにもかかわらず、おさまることのない万丈目自身。中に入ったまま動こうはとせず、加えて万丈目は膨れた秘豆を指で弄る。それはなまえをじらすためだけの行為。意地が悪いと言われればそうなのだが、万丈目は恋人の口から強請る言葉がほしいだけ。

「っうごいて、ほしい」
「それで?」
「それで、ちゃんと…イかせて」
「…ああ、望み通りに」

挿入しっぱなしだったモノを再び動かす。彼が中に放った精液と、なまえの膣液とが中から溢れ、先ほどよりも大きな粘着音を響かせていた。

「っあ、あ、ッんぅ、あ」
「ほら、もっと欲しい、かっ?」
「は、あ、あっ じゅん…準、はあ…、っあ、ん!」

白濁の液がなまえの太腿へと流れる。ぬちゅ、と溢れる膣液と精液とが混じり合い、万丈目の足にまでも流れていく。
そんな事は眼中にない二人はもうすぐ手に入る快楽への波へと追い詰められていた。



「う、あ、だめ…!あっ はあぅ、い、っちゃう、ん、ああっ」


足を震わせ、崩れるように力を抜いた。万丈目は後ろからなまえを支えて座りこもうとした体を起こす。荒い息で声をかけることができず、代わりに強く抱きしめて息が整うのをまっていた。
攣縮(れんしゅく)していた膣内に刺激された万丈目はもう一度果てたいと思ったが、これ以上はホテルに戻るにも今夜にも支障が出ると判断し、断念した。なまえが無事に果てたので未だに硬さを残すモノを中からずぶりと抜き取る。中から流れ出た精液と膣液は再びなまえの足を汚していく。

「も…はあ、はあ、足がどろどろ、」
「俺のも、だ」
「あー、水着まで、汚れてる」


熱から解放され、周りの状況を判断できるようにまでなったなまえに、脱ぎかけている水着を戻してやる。万丈目も自分の身なりを整えて未だぼうっとしているなまえの頭を撫でた。ぶつかる視線に、唇を合わせて近付く。

まだ一日目の休日をどうすごそうか。とりあえず今は海ではしゃぐのもいいかもしれない。
万丈目の差し出した手に、なまえはそっと手を乗せて握る。ちゃぷんと海水へ浸かった足が気持ちよく感じた。

――――――――
気合を入れて書きました!
この万丈目は(卒業後数年して既に大人なので)子どもができてもいいつもりでしてるためゴムはしていません。
実際の行為ではゴムの使用を推奨します。また、野外でするのはスリルがあっていいかもしれませんが、異物が膣内に混入する可能性があるので気をつけてくださいね。
13.03.19.


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