※ちょっと際どい。微妙にえろい。



「…ねえ」
「んー?」
「これ、どういうこと」
「どういうことだろうね」

ソファで二人、DVDを見ていたかと思うといきなり押し倒された。よくわからないまま上に乗っかられ、貰うままにちゅーを貰い、熱くなる顔にますます混乱する頭。上手く働かせようと言葉にしたのが「どういうこと」だ。


「ちょっと、退いてほしいなーなんて」
「僕が退くと思ってる?」

いえ思いません。やりたいと思ったことは行動に移すし、文句を言っても折れないのが了という人間だ。退くなんて微塵も思っていないけれど、退いてくれたらうれしいなーという期待を込めて。結局ダメらしい。
相変わらずの了に諦めをつけたのはいいものの、彼は私の首筋に顔を埋めた。

「っひ、ちょ、なに嗅いでるの!」
「なまえのここ、いい匂いするから」
「だからって嗅ぐ!?普通!」
「だって僕、結構この匂い好きなんだもん」

そういって今度は首筋から胸の谷間に顔を移動させる了。いやいや、うそでしょ。まさかそんな胸に顔を埋めるなんて。

「……本当に胸に顔埋めないでよ」
「ここもいい匂いするんだよねー」
「っそれ、汗じゃん。やめてよ」

こんなんだったら胸元開いてる服なんか着てくるんじゃなかった。いや、例え着てこなくても了なら躊躇いもなく胸に顔を埋めるかも。
満足したのか私に体重を掛けていた身体を起こす。もう終わりかな、と気を抜いた直後、片足を掴まれて持ち上げられる。しかも持ち上げられた足を引き、私の足の付け根へと顔を近づけていく恋人の姿に慌てて止めた。


「なに、えっ? 何してるの」
「んー 一番いい匂いっていったらここなんだよ」
「や、やだやだやだ!」

制止も空しく私の脚を肩に担ぎ、がっつりと掴まれる。暴れてもいいけれど了に怪我とかさせたくないから暴れられない。
そんな私の心中がばればれなのか、というか恐らく確信した上での行動がむかつく。くそ、絶対私が了の顔とか身体に怪我させられないってわかってやってる!本当に!

うだうだ私が心の中で言ってる間にも了は付け根へと顔を近づける。それも真っ先に近づくわけでもなく、太腿に頬ずりをしながらゆっくりと近づいてくるのだ。やらしい!
わざわざ見せつけるようにしているんだから本当に了は…。


「それ、ナシ…!ナシっ」
「ありあり」
「やーだあああ」

生憎スカートではなくショートパンツなので、下着がダイレクトに見られるわけではない。見られるわけではないのだが、やはりその、顔を近づけられるのは絶対的に恥ずかしいわけである。
担がれていない方の足を閉じ、近付かせないと睨む。しかしそれも想定内だというように微笑み、優しく手で足を広げる。それでも無理!と服を引っ張り手で隠す。これだけ見たら何かえろく見えるのだが、今は顔を近づけさせないようにすることでいっぱいいっぱいだった。


「なまえはさ、もうちょっと雰囲気とか気にしたら?」
「気にしてないのは了の方でしょ!」
「まあ雰囲気も何も始まればないけど」
「雰囲気云々言い始めたの了だからね」
「ほらほら、もっと可愛い反応とかさー」

そういって下腹部を指で押し、太腿では了の舌が這う。そっと指先がなぞるのは間違いなく私に仕掛けている。
く、とショートパンツの上からなぞるのは既に感じ始めているだろう恥部。遊ぶようにして指で押すのに耐えきれず、噤んだ口から声が漏れる。

「っふ、…!」
「…やればできるじゃない」
「舐めない、で」

太腿を這う舌はそのままショートパンツ越しにも恥部を舐めそうな勢いだった。止めてくれるという期待はしていなかったが、私が小声で制止をかければ了は這っていた舌を口の中へと収めてくれる。
そうして微笑む了の瞳はどこか熱い。


「じゃあどうされたいか、なまえ次第だね」


色っぽい笑みを向けた了は、美少年であることを武器にした挑発で、私に向けた最大の誘惑。色欲を浮かべた瞳で捕らえられればもう逃げられない。

―――――――
匂いって大切だと思います。私は匂いが落ち着く人が好きです。獏良くんいい匂いしてそうクンクン。
タイトル→まぞ。
13.03.21.


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