※アニメ終了後 優介がDAに復学して私はI2社に戻った。吹雪も卒業したし亮も身体の調子は戻ったようだ。自分たちのことだけはなんとかしっかり出来るようにしないといけないと、私も優介も、…亮も吹雪もそれぞれ今すべきことをしている。 卒業前に吹雪が何とか優介の周りを固めておいてくれていたおかげで優介の心配はしていない。レイちゃんや剣山くんはなんとかして優介を馴染ませてくれるだろう。だからこそ私はこうして仕事が出来ているわけだ。 しかし心配していないわけではない。 会社に勤めながら私は月一で定期に休みを取り、DAに赴いていた。もちろん目的は優介に会うため。 「優介!」 手軽い荷物を持って船から降りれば優介が出迎えてくれた。はにかみながら「長旅おつかれさま」と頭を撫でてくれた優介に、なんだかむず痒くなる。 船に乗るのは面倒だけど私が会いたくて会いに来てるわけだから全然苦じゃない。それに優介はこうして笑顔で出迎えてくれるから、会いに来ていいのかなって勝手に思っている。 私の荷物を持って歩き出した優介。その後ろを遅れないようについて行く。 昔もレディファーストを自然にやってのけていたけど、変に甘やかしてるのは私だけだ。 「大丈夫?友達は」 「…心配されなくても」 「レイちゃんなんかに心配されてるでしょ」 「うるさい」 吹雪のお節介も迷惑そうにだが受け入れていたくせに。まあ吹雪から聞いた話だけれど。 とりあえずは落ち着いて生活で来ているのかな、と毎回安心する。 むすっとしている優介の横顔を盗み見て、私の心もちょっぴり暖かくなる。口が緩んでしまうのを隠すように、…いや、むしろ盛大ににやにやしたほうがいいのかも。 「そんなことは今いいだろ」 荷物を持っていない手で手を包まれる。暖かなその手は大きくて、簡単に包み込んでしまう。 「なまえは俺のことだけ考えていればいい」 私は優介とのことだけを考えるためにDAに訪れる。 社会からはずれたこの学園で、幸せを噛みしめるために。 会えなかった数年の時間を埋めるように。 優介の手を握り返し、二人寄り添いながらブルーの寮室に向かった。 (ねえ、わたしいつだって優介のことしか考えてないよ) ―――――――― アニメ終了後の藤原はDAにいる感じで。 初出:12.11.25. 加筆修正:13.01.03. |